まだマイコンとは何かを確認した段階ですが、ここでチャレンジをしてみます。
チャレンジ内容
前回、マイコンとは何かを確認しました。復習すると、電気的な入力を受けて、その入力をマイコンのプログラムで処理して、その結果を電気的に出力する、というものでした。
今回はチャレンジとして、入力や出力にどのようなものがあるのかを実際に調べてみて、マイコンを使うとどのような作品が作れるのか考えてみたいと思います。
入力系の部品
入力系の部品は、電気的な接続/切断を行うスイッチや、いろいろな環境値を取得するためのセンサーがあります。
以下は、ネットで購入できる入力系の部品です。実際にネットでどのような入力系部品があるのか調べてみましょう!
スイッチ(秋月電子通商)
センサー部品(秋月電子通商)
センサー部品(千石電商)
上でサイトで見つかるセンサー以外にも以下のようなものもあります。
水分センサーを土に挿しておくと、土の水分状態がわかります。
こちらは水分ではなく水のセンサーです。水がつくと反応しますので、外に置いておくと雨が降ってきたかどうかの判定ができますね。
筋肉の動きに応じて電圧が変化します。使ったことないですが、面白そうですね。
心電図ではなく、心拍のセンサーです。スポーツジムの有酸素系マシンなどの付いていることが多いですよね。
火を検出するセンサーです。
「リアルタイムクロック」という部品を使用すると、現在の時刻(年月日時分秒)が取得できます(この部品単独で時刻を刻むので、ネットに接続する必要はありません)。また閏年の修正も自動的に行ってくれます。
この部品を使用すると、インターネットに接続できます。インターネットから何かデータを取得したりできるようになります。(ただし、ネットワークアクセスのプログラム実装がちょっと大変だったりします)
入力系の部品は主にセンサーになりますが、上のリンクで入手できる部品はすべてマイコンに接続して値を読み取ることができる、と考えていただいて大丈夫です。人間が感知できないものも感知できますので、いろいろ応用ができそうですよね。
出力系の部品
出力系の部品もいろいろあります。分野ごとにまとめてみました。いずれの部品もマイコンで制御できると考えていただいて大丈夫です。ただし、部品によってはマイコンの外部に追加で回路を接続する必要がありますが、細かいことは置いておきましょう。
動力系
「DCモーター」はミニ四駆などのおもちゃなどでよく使われています。電圧を加えると(例えば電池を接続すると)軸がグルグル回転します。回転速度は電圧に応じて変化しますが、正確な速度制御は難しいです。
「ステッピングモーター」はかなり正確な回転制御ができます。ステッピングモーターを制御するには、特定の信号を与える必要があります。例えば1回信号を与えると1.8度回転する、という動作をします。つまり、200回信号を与えると360度(1回転)することになります。3Dプリンタなど、正確な位置制御が必要な場合によく使われています。ただし回転速度を速くすることは難しいです。
DCモーターは軸がグルグル回るモーター、ステッピングモーターは正確な制御ができるグルグル回るモーターでしたが、サーボモーターは異なります。サーボモーターも信号を加えると動作しますが、0度〜180度の回転しかしません。つまり1回転もできない、ということにになります。その代わり、0度〜180度の範囲でかなり正確な制御ができます。このモーターはロボットアームなど、可動範囲が限られていて正確な制御が必要な場合によく使われます。
水をくみ上げたり散水できます。
携帯端末やゲームコントローラに入っている、ブルブル震えるやつです。
電圧を制御して、軸が飛び出たり引っ込んだりします。今の製品にあるかわかりませんが、昔、冷蔵庫の扉の取っ手部分をタッチすると扉が開くモデルがありました。この製品はソレノイドを使ってたような気がします(違うかな?)。
モーターの発展系ですが、風を発生させることができますね。
マイコンの出力電圧は小さいですが、この「リレー」を使うとマイコンで100Vなどの電化製品のON/OFFを制御できます。
音響系
人間の耳に聞こえる音を発生する部品としては、スピーカーやブザーがあります。また、聞こえない音、超音波を発生する部品もあります。
MP3ファイルを再生するマイコンも販売されていますので、SDカードにMP3ファイルを入れておき、マイコンで制御してMP3を再生してスピーカーで鳴らす、ということもできます。
超音波スピーカーですが、これはセンサーのところでも出てきましたが、距離を測定する際に用いられることが多いです。
照明系
照明系の場合、すぐに思いつくのは一般的な照明器具ですが、100V系の照明器具はリレースイッチ、あるいはソリッドステートリレーと呼ばれる部品を使用するとマイコンで制御できます。
またLEDの場合は一般的な照明器具と違って、用途がもうちょっと広がります。
まずは数字を表現する7セグメントLEDと呼ばれている部品です。
また、何かの大きさやレベルを表示するために、このようなLEDインジケータがあります。
当然ながらLEDは照明としても利用できます。
さらに、植物の育成に適した波長で発光するLEDもあります。植物は昼と夜を作ることが重要ですので、植物工場では、このようなLED照明を使って点灯、消灯制御して植物を育成しています。ここでもマイコンが活躍します。
先に説明しましたが、赤外線LEDを使うと、リモコン信号を発生することができますので、家電の制御ができます。
温度系
電気により発熱する部品もありますが、冷える部品もあります。
まずは発熱部品です。この部品は加える電圧によって希望の温度に加熱できますので、ヨーグルト(25度〜30度)、フルーツビネガー(50度)、チーズ(60度)、味噌(60度)、米麹の甘酒(55度)が作れそうです。それぞれ発酵時間時間が決まっていますので、マイコンでタイマー制御すればうまくいきそうです。発酵の仕組みをよく理解してないのですが、センサーで発酵の状態を調べて(糖度センサーとか?)、温度調整すると、すごく美味しい甘酒が作れる、とかないですかね…
こちらは電圧を加えると冷える部品です。この部品は電池を接続するだけで冷えるので、単にこの部品と電池、スイッチをつけて夏に持ち歩くといいかもしれませんね。ただ、電池をつなげてこの部品を額に当ててると、他人から見ると、ちょっと、というところもありますので、使い方に注意する必要がありそうです。なお、電圧を加えると片側は冷たくなりますが、もう片方は温かくなります。何かを冷やしたい場合、設置に工夫が必要になります。
記録系
マイコンがプログラムで処理したデータを外部に記録することもできます。例えばSDカードを接続して、センサーで取得した数値をCSV形式でSDカードに記録することができます。
通信系
入力系の部品でも出てきましたが、インターネットに接続できますので、サーバにデータをアップしたり、自分自身がサーバとして動作することもできます。
入力系、出力系の部品ともまだまだ他にもたくさんありますが、まずはこのような部品とマイコンを組み合わせて、何ができそうか考えてみましょう!
パターン1
最初は、入力系の部品、出力系の部品を接続して、プログラムで何か処理をして動作する作品を考えてみましょう。例えば圧力センサーやジャイロセンサーを使うと、姿勢を判断できますので、座禅装置みたいなものも作れるかもしれませんね。そういえば任天堂からそういうゲームも出ていましたね。
パターン2
次のパターンです。入力系がなく、出力系だけ、というパターンでも何か考えてみましょう。メジャーなところですと、LEDを使った看板とかありますよね。
パターン3
組み合わせ的には、以下のようなパターンもあります。これは何かの役に立つのでしょうか。このパターンを考えると、「そもそも存在とは何か」という壮大なテーマに行き着きそうな気もしますので、深入りしないほうがよさそうです。