第6回 ブレッドボードとは

このシリーズでは「ブレッドボード」を使用して電子工作を進めていきます。電子工作を始める前に、ブレッドボードとは何か、確認しておきましょう!

目次

実際の部品を確認しながら進めてみてください!

今回の記事では、電子回路を組み立てる土台となる「ブレッドボード」について説明します。

実際に電子工作を始める前に、ブレッドボードをどのよう使って電子工作を進めていくのか確認します。

今回は説明だけですが、文章を読んでいると睡魔が襲ってくることがありますので、ぜひ手元にあるブレッドボードを確認しながら進めてみてください。

ブレッドボードとは?

ブレッドボードは、電子回路を簡単な作業で組み立てることができる部品です。

とはいっても、この説明だけでは何がなんやら、という感じですよね。まずはブレッドボードの目的から確認していきましょう!

ブレッドボードの目的

ブレッドボードで電子回路を組み立てる、と説明をしました。

「電子回路を組み立てる」というのは、具体的には「希望の動作をするように、電子部品同士を電気的に接続する」という意味になります。

と言葉で説明されてもピンときませんので、具体的な電子回路を見てみましょう!


次の画像はLEDを点灯する電子回路です。

「LED」を点灯するには、「電池」に接続する必要がありますが、直接接続するとLEDが壊れてしまいます。そこで、上の画像のように「抵抗」という部品を接続します。(抵抗を接続しないと、電流が流れすぎてLEDが壊れてしまいます)

上の画像の「LED点灯回路」は、「LEDが点灯するように、電子部品同士を電気的に接続して」回路を実現しています。

「電子回路」はこのように「電子部品を電気的に接続」すればOKなのですが、自信満々に「LED点灯回路を作りました!」といわれても、上の画像の回路はちょっとね…という感じですよね。

電子部品の電線同士をねじって接続しているだけなので、すぐに接続が外れてしまいそうです。


ブレッドボードの目的は、上の画像のように電子部品同士を電気的に接続したい場合、簡単な作業でもっと確実に電子回路を製作する、ということにあります。

それでは実際のブレッドボードはどのようになっていて、どのように使うのか確認していきましょう!

ブレッドボードの外観

一般的なブレッドボードを上から見るとこんな感じになっています。

Breadboard

とにかく穴がたくさんあるのが印象的ですね。

これから、この穴の使い方と内部の仕組みを確認していきます。

ブレッドボードの使い方

このブレッドボードはどのように利用するかというと…

次のように電子部品の電線(「リード線」と呼ばれます)を穴に挿して使います

次の画像は「抵抗」という電子部品をブレッドボードにセットした画像です。(画像がちょっとわかりづらい場合はクリックすると拡大できますので、穴の部分を確認してみてください)

Breadboard parts 1

上の画像は抵抗のリード線を曲げてブレッドボードにセットしています。

ただし、このようにリード線が長いまま追加で他の電子部品もセットしていくと、部品が混み合ってきてリード線同士が接触して回路が壊れてしまう可能性もあります。(回路がショートして大きな電流が流れて電子部品が壊れる可能性があります)

そこで、普通はリード線をニッパーで切って、次のようにブレッドボードにセットします。

Breadboard parts 2

次に、ブレッドボードでどのように電子部品同士を電気的に接続するのか、確認しましょう!

ブレッドボード内部の電気的接続

ブレッドボード内部は、次の画像のように、緑色の線の部分がブレッドボード内部で電気的に接続されています。(ここ、とても大事です!)

Breadboard wiring

ブレッドボードには数字(1〜30)と英文字(a〜j)が書かれていますが、例えば「1」という列の「a〜e」の穴は全て内部で電気的に接続されています。

ここで、先ほどの「LED点灯回路」をこのブレッドボードで実現するとどうなるかみていきましょう。

先ほどの「LED点灯回路」の接続をもう一度確認します。

部品同士は次の電気的接続がされていることがわかります。

1. 「電池のプラス側(赤い電線)」-「LEDの片側」
2. 「LEDのもう片側」-「抵抗の片側」
3. 「抵抗のもう片側」-「電池のマイナス側(黒い電線)」

ブレッドボードでこの接続を実現する場合、例えば次のように電子部品をセットすると同じ接続が実現できることになります。

この画像ではちょっとわかりづらいので、電子部品同士の部分を拡大して、ブレッドボード内部の接続に緑色の線を描いてみました。

パズルみたいでちょっとややこしいですが、ねじって接続した電子回路の電気的な接続と、ブレッドボードの電気的な接続が同じになっていることを確認してみてください。


ブレッドボードを使うと、このように穴に差し込むだけで電子回路を製作することができます。

また、部品を穴に差し込むだけですので、接続を間違えた場合や変更したい場合、簡単に作業できるというメリットがあります。

ブレッドボード内部の構造

ところでブレッドボードの内部が気になりませんか?

ブレッドボード内部には、電子部品のリード線を挟んで電気的に接続するために、次のような金属の板バネが入っています。(ブレッドボード内部の接続のイラストの緑色の線1本が、次の板ばね1個に対応しています)

Breadboard int parts

手元にスケルトンタイプのブレッドボードがありましたので、実際の中身を確認してみます。

Breadboard skelton

このブレッドボードは本体が透明のプラスチックでできているので内部構造が透けて見えます。

このブレッドボードを横から見てみると、次のように板バネが入っていて、内部接続のイラストのように接続されていることがわかります。

Breadboard inside

なお、ブレッドボードへ電子部品をセットするときの加工方法などの詳しい説明は、ブレッドボードで回路を組み立てるときに詳しく説明します。

まずは部品のリード線をブレッドボードの穴に差して使うこと、内部はどのようにつながっているかという2点を理解しておきましょう!


ところで、「ブレッドポード」という用語ですが、日本語では「パン切りまな板」のことなんです。

なんで「パン切りまな板」なの?と疑問に思うかもしれません。

次の動画にあるように、ブレッドボードがない時代は本当の「パン切りまな板」を使って回路を組んでいたようです。(これだったら普通の基板でハンダ付けした方が早そうな気が…)


次回から、LED、抵抗、電池について順に説明していきます。

更新履歴

日付内容
2016.6.12新規投稿
2018.10.29一部表現変更
2024.7.28一部説明変更
2025.3.11電子回路の例を追加
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