第4回 製作全体像と必要工具類

今回は、「製作の全体像」と「基礎編で製作するときに必要な工具類」を説明します。

目次

マイコンを動作させるには

今まで、マイコンでいろいろなことができますよ、という説明をしてきましたが、実際にPICマイコンを使ってどのように製作を進めるのかよくわかりませんよね。

そこで、今回の記事では実際の製作はどのように進めていくのか、(少しだけ)具体的に説明します。


マイコンは、マイコン内部に記憶しているプログラムに従って動作します。

マイコン内部には電源をOFFにしても情報が消えてしまうことのない、プログラムを記憶する部分があり、プログラムはここに記憶されます。

当然ながら市販されているマイコンは、買ってきた状態ではプログラムの記憶部分にプログラムは何も記憶されていませんので、全く動作しません。

そこで、このプログラムをどのように作って、どのようにマイコンに記憶させて動作させるのか、まずは全体像を確認しましょう!

なお、プログラムをマイコンの記憶部分に記憶させることを一般に「書き込む」と呼びますので、今後はこの表現を使って説明していきます。

製作の全体像

PICマイコンを使った電子工作の進め方は、次の手順になります。

手順の説明で「MPLABX IDE」などのPICマイコン固有の用語がでてきますが、今は理解する必要はありません。

まずは進め方をざっくりと確認して、全体像をつかむようにしてください。

  1. 回路の組み立て
    最初はタイマーとして動作する電子回路を組み立てます。
    回路を組み立てるためには、工具類と電子部品類が必要になります。
    今回の記事で工具類、次回の記事で電子部品類を詳しく説明します。
  2. プログラムの作成
    マイコンを動作させるためのプログラムは、Windows・macOS・Linux上で動作する「MPLABX IDE」というPICマイコンプログラムの開発ソフトで作成します。このMPLABX IDEは無料で利用できます。
  3. PICマイコンにプログラムを書き込む
    で作ったプログラムをPICマイコンに書き込みます。
    書き込むには「PICkit」という特殊な工具が必要になります。
  4. 動作させてみる
    ここまでの手順で動作させることができます。一発で動きますように!
  5. もし動かなかったら。を繰り返す
    動かない原因がどこにあるのか、確認しながらからの作業を繰り返します。

前回の記事で、製作するものを動画で説明しましたが、動画のようにちょっとずつ機能を足しながら作っていきます。

最初はLEDを1秒に1回点滅させるだけの回路を組み立てて、そのプログラムを作り、PICマイコンに書き込んで動作させてみます。

LEDが点滅できるようになったら、次に回路にスイッチを追加します。スイッチを押したらLEDの点滅を開始するようにプログラムを変更して、PICマイコンに書き込んで動作させます。

最後に回路にブザーを追加します。決まった時間になったらブザーを鳴らすようにプログラムを変更して、PICマイコンに書き込んで動作させます。

回路組み立てに必要な工具類

これから組み立てに必要な工具類と、次回の記事で電子部品類を説明します。(最後に買い物リストとしてまとめますので参考にしてください)

工具類について説明しますが、必要な工具類はすでにお持ちのものもあるかもしれません。

新しく購入するのはもったいないですので、まずは手持ちがないか確認してみてください。

ピンセット 100円程度(100円ショップ)

電子部品をつまんだり、細かいところを配線したりするときにあると便利です。

ピンセットは精度は必要ありませんので、100円ショップのもので十分です。

Tweezers

ラジオペンチ 100円程度(100円ショップ)

ラジオペンチもそれほど精度はいりませんので、これも100円ショップで問題ありません。

私がいつも使っているラジオペンチも100円ショップで購入したものですが、特に不都合はあまりせん。

小さい電子部品や配線を曲げたりしますので、先が細いものをお勧めします。

Pliers

ニッパー 100円〜1,000円程度(100円ショップ・ネット通販やホームセンターなど)

ニッパーも100円ショップで入手できますが、予算に余裕があるようでしたら800円〜1,500円程度のものをお勧めします。というのは、刃のかみ合わせによって切れ方が変わってくるためです。

高価なものは必要ありませんが、amazonやホームセンターなどでも十分な品質ものものが販売されています。

Nippers

ワイヤストリッパ 1,700円程度(ネット通販やホームセンター)

配線に使用する電線の被覆(ビニルカバー)を取るための道具です。

こちらもネット通販でいろいろな種類が売られています。あまり高いものは必要ありませんので、1,500円〜2,000円ぐらいのものを目安に購入されるとよいと思います。

慣れれば先ほどのニッパーでも被覆を取ることができますが、ワイヤストリッパがあった方が短時間で失敗なく作業できます。

次の製品は「ベッセル(VESSEL)社 ワイヤーストリッパー 3500E-2」というもので、Amazonで1,700円程度です。

Wire stripper

ということで組み立てに必要な道具の予算は、だいたい3,000円ぐらいとなります。

次回の記事では、必要な電子部品類を説明します。

更新履歴

日付内容
2016.6.5新規投稿
2018.10.29PICkit4情報追加
説明図のPICkit3をPICkit4に変更
2018.11.23画像リンク修正
2024.7.17最新情報に更新
2025.3.9最新の価格情報に更新
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