第11回 PICマイコンにLEDを接続する回路をつくる

今回はLEDの回路を設計します。

目次

今回の説明

回路を完成させるために以下の順序で説明しています。このエントリの説明は(2)「PICマイコンのベース回路を組む」の部分のPICマイコンにLEDを接続する回路を作成するステップになります。

  1. LEDを電池と抵抗のみで光らせる回路を組み立てる
    PICマイコンの回路を組み立てる前に、まずはブレッドボードに慣れておくことにします。電池、抵抗、LEDのみを使って、ブレッドポード上に回路を組んでLEDを光らせてみます。ここでは電池、抵抗、LEDの回路記号と回路図の説明をして、回路図からブレッドボードに組む方法を説明します。まずはブレッドボードに慣れましょう!
  2. PICマイコンのベース回路を組み立てる
    はじめの一歩の回路は、LEDを1秒に1回光らせるだけの回路です。この回路をブレッドボードに組み立てます。
  3. プログラムを作る
    LEDを1秒に1回光らせるプログラムを作成します。
  4. PICマイコンに書き込んで動作させる
    作成したプログラムをPICマイコンに書き込んで動作させてみます。
  5. ベース回路にスイッチを追加
    LEDの点滅をスイッチで開始させるために、ベース回路にスイッチを追加します。これまではLEDを光らせる、という出力制御をしましたが、今度はPICマイコンで外部から信号を入力する方法を確認します。
  6. ベース回路にブザーを追加
    スタートスイッチ付きの、1秒に1回光らせる回路を作りましたので、ブザーを追加してタイマーとして完成させます。

PICマイコンの出力ピン制御

前回は、PICマイコンに電源を接続する回路を作成しました。今回はいよいよLEDを接続します。

PICマイコンで何かを制御する場合、PICマイコンのピンに電子部品を接続します。前回ちょっとお話しましたが、PICマイコンのピンはプログラムの設定でいろいろな役割に設定することができます。

今回はLEDを点滅させる(ON/OFFする)ことができるように、PICマイコンの2番ピンを、「接続した電子部品をON/OFF制御できるように設定」します。この設定はプログラムで行いますので、プログラム作成時に詳しく説明します。なおご参考に、一例ですが他にも以下のような設定をすることができます。

  • ピンの出力電圧を0V〜5V(電源が5Vの場合)まで連続的に設定できるようにする。例えば「ピンの出力電圧を2.3Vに設定」などすることができます。例えば、発光ダイオードの明るさを調整することができます。実際にはPWMまたはDAコンバータという技術で制御しています。このうち、PWMという機能については応用編で説明します。
  • ピンに接続されているスイッチがONかOFFか読み取る。この基礎編では、LEDの点滅制御ができたら、今度はLEDの点滅開始スイッチをつけますので、この設定を行うことになります。
  • ピン接続されている電子部品の現在の電圧を読み取る。例えば、気温に応じて電圧が変化する電子部品がありますので、それを接続すると、気温がわかることになります。電圧を読み取る方法については応用編で説明します。

今回作成するLED点滅回路も、一例に示したとおり、0〜5Vまで可変的に設定できるようにすれば、明るさを連続的に変化させることができます。ただ、この制御は一通り基礎を身につけてからの方が習得しやすいので、基礎編では一番基本的なON/OFF制御する設定にします。

PICマイコンのプログラムで、2番ピンを「接続した電子部品をON/OFF制御できるように設定」を行うと、PICマイコンはどうなるかというと、

Pic switch circuit

こんな感じにプラス電源と2番ピン(RA5)の間にスイッチが入った感じになります(電源とPICマイコンのみかいています)。もちろん、PICマイコンの中に物理的なスイッチがあるわけではなく、電子的にこのような制御をする、ということになります。

このスイッチのON/OFFをプログラムで制御することができるようになるわけです。

プログラムを作る際に詳しく説明しますが、このスイッチ(2番ピンのRA5)をプログラム(C言語)でどのように制御するかというと、スイッチをONにする場合、

LATA5 = 1;

スイッチをOFFにする場合、

LATA5 = 0;

と書きます。

「LATA5」というのは2番ピンを制御するための変数で、この変数に1を設定すると先ほどのスイッチがON、0を設定するとスイッチがOFFになります。

それでは、LEDはPICマイコンにどのように接続すればよいのでしょうか。まずはLEDを電池のみで光らせたときの回路を思い出してみます。

Basic led circuit

このように、電源のプラスから、抵抗をつなげて、さらにLEDのアノード(プラス側)に接続して、カソード(マイナス側)を電源のマイナスに接続しました。

PICマイコンの制御もこれと同様に接続すればOKです。それでは先ほどのPICマイコンに接続してみると、

Pic led circuit real

となります。この回路ではPICマイコン内のスイッチを経由しますが、それを除くと、接続方法は発光ダイオードを電池のみで光らせた回路と同じであることを確認してみてください。

あと、電源回路はコンデンサもつけましたので、コンデンサを接続します。

Pic lec circuit w cap

このように接続することになります。なんかちょっと複雑になってきましたよね。

これでLEDの接続ができました。このLEDを点灯する場合、プログラムでLATA5=1、消灯する場合はLATA5=0と書けば制御できることになります。

回路図

次に、回路図をかいてみます。まず、段階的に説明するために前回の電源回路のみを以下に示します。ちょっとうっとうしいかもしれませんが、最初は電池もきちんと表現した回路からです。

Pic power circuit 1

この回路に、上の実体配線図で説明しましたLEDと抵抗を追加します。回路図上でも、PICマイコンの2番ピン(RA5)から抵抗をつなげて、さらにLEDのアノードにつなげて、カソードを電源のマイナス側につなげます。

Pic led schematic 1

ところで、実体配線図と比較すると、電線をつなげている位置が違う!と思われる方もいるかもしれません。

なんとなく、実体配線図のように回路図をかくと、

Pic led schematic 2

こんな気がしませんか? でも回路図上では、ひとつの線はどこでも同じ意味の接続になります。今回作成した回路図の場合、

Pic led schematic 3

青いライン上ではどこにつないでも意味は変わりません。これは、回路図は電気的なつながりを記述しているだけで、実際の配線位置の情報ではないためです。

今後、回路図が複雑になってくると、回路図を見ながらブレッドボードに組み立てていくとき、変なパズルを解いているみたいな状況になり「キーッ」ってなったりすることもあります。

また回路図がちょっと厄介なところは、電気的に回路図どおりつながっていればいい、というわけでもない、という点です。

前回の記事で、「パスコン」(PICマイコンのすぐそばに接続するコンデンサ)を説明しましたが、回路図上ではスペースの関係からパスコンがちょっと離れたところにかかれていることがあります。

このときは、パスコンであることを理解して、実際に配線するときはPICマイコンのすぐそばに接続する、ということが必要になります。

入門の段階では、回路図から実際の回路を組み立てるとき、位置に注意が必要な部品はパスコン、ということだけ覚えておけば十分です。他の接続についてはとにかく電気的につながっていればOK、としていただいて問題ありません。

再度、この回路図と、上の実体配線図を比較して、回路図の独特の表現になれるようにしましょう。

実際の回路図

前回も同じことをしましたが、実際には電池を書くことは少なく、電源記号でかきます。上の回路図から電池記号を削除して、その代わりに電源記号を使用してかくと以下のようになります。

Pic led schematic 4

雑誌の記事などではこのような回路図のかきかたが一般的ですので、是非この回路図に慣れておいてください。

電池記号をかく場合に比べて、かなりすっきりしていますよね。最終的にはこちらのタイプの回路図からブレッドボードに組み立てられることを目標にしましょう。(あ゛〜ッてなることもありますが)

次回は、PICマイコンにプログラムを書き込む回路を作成します。この作成が終わるとベース回路図の作成は完了しますのでもう一息です!

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2016.7.18 新規投稿
2018.11.5 誤記訂正
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