第7回 Raspberry Piのセットアップ – ローカル環境編

Raspberry Piのセットアップを行います。今回はRaspberry Piにディスプレイ、キーボード、マウスを接続する構成でのセットアップ手順を説明します。

今回の説明内容

第4回の説明で、セットアップ方法の概要を説明しましたが、今回はそのセットアップ方法の詳細を説明します。

セットアップ方法は2通りありましたが、今回はRaspberry Piに直接ディスプレイ、キーボード、マウスを接続した構成でセットアップします。それでは早速始めましょう!

なお、今回は詳細ステップの説明になります。セットアップの概要を知りたい方は「第4回 Raspberry Piのセットアップ方法と開発方法概要」をお読みいただければと思います。

 

インストール用のmicroSDカードを準備する

Raspberry PiにはいろいろなOSをインストールできますが、このシリーズでは一番メジャーなOSである「Raspbian」というOSをインストールします。RaspbianはLinuxベースのOSです。Linuxの知識については第10回の記事で説明する予定です。

最初のステップは、Macintosh/Winodwsを使用して、Raspberry Piの公式サイトからRaspbianのインストーラをダウンロード、microSDカードにコピーして、インストール用のmicroSDカードを作成します。

Local install setp1

まずはRaspberry Piの公式サイトにアクセスします。

Raspberry Pi公式サイト

トップページの上の方に「DOWNLOAD」メニューがありますので、それをクリックします。

Raspi home

クリックするとOSを選択する画面になります。

Raspi download

いろいろなOSがダウンロードできますが、Raspbianは最初の二つになります。

左側は「NOOBS」と呼ばれていて、第4回で説明した方法1で使用するOSインストーラになります。NOOBSはNew Out Of the Box Softwareの略で、日本語では「(箱から出して)すぐに使えるソフトウエア」って感じの意味です。

右側は同じくRaspbianOSですが、こちらは方法2で使用するOSディスクイメージです。

左側の「NOOBS」をクリックします。

Raspi noobs

NOOBSには2つあります。一つは左側のNOOBSで、これはRaspbian本体が入っているものです。もう一つは右側のNOOBS Liteで、Raspbian本体は含まず、インストール時にネットから取得します。両者はいつRaspbian本体をタウンロードするかの違いですので、トータルでは差がないように感じますが、実際に両方のインストールを比較すると、NOOBS Liteでインストール時にRaspbianを取得する方が時間がかかりました。これは環境によっても変わってくると思います。

今回は、NOOBS LiteではなくNOOBSをダウンロードすることにします。NOOBSの下の方にある「Download ZIP」ボタンをクリックしてNOOBSをダウンロードします。ダウンロードしたファイルは解凍しておきます。

この後、解凍したファイルを丸ごとmicroSDカードにコピーしますが、念のためmicroSDカードのフォーマット形式を確認しておきます。NOOBSで使用するmicroSDカードのフォーマット形式はFAT32です。

まずMacintoshでの確認方法です。

Finderから、アプリケーション→ユーティリティ→ディスクユーティリイを立ち上げます。立ち上げるとメインウインドウが開きますので、左側のディスク一覧からmicroSDカードのディスクを選択して、右側の説明のところに「MS-DOS(FAT)」と出ていればFAT32フォーマットです。

Mac diskutility

上はEl Capitanのウインドウで、Yosemite以前のディスクユーティリティでは以下のように確認します。

Mac diskutility yosemite

もしFAT32形式でなければ、この記事の一番最後のセクション「失敗してしまったら」を参考にmicroSDカードをフォーマットしてください。

次にWindowsです。Windows10で説明します。

まずエクスプローラを開いて、microSDカードを探して、ディスクのアイコンを右クリックします。

Win disk

コンテキストメニューが表示されますので、一番最後の「プロパティ」を選択します。

Win disk menu

プロパティダイアログが表示されますので、フォーマットの項目を確認します。

Win disk proerty

もしFAT32形式でなければ、この記事の一番最後のセクション「失敗してしまったら」を参考にmicroSDカードをフォーマットしてください。

それでは、先ほどダウンロードしたNOOBSの解凍済みのファイルをすべてmicroSDカードにコピーしましょう。

Copy files

なお、microSDカードのディスク名称はなんでも構いません。

これでOSインストーラが入ったmicroSDカードが準備できました。

 

Raspbianをインストールする

それではRaspbianをインストールしましょう。今回は方法1の構成でインストールしますので、以下の作業を行います。

Install setp2

まず、先ほど準備したmicroSDカードをRaspberry Piにセットします。セットする場合はmicroSDカードの端子のある面が上になります。一方向しかセットできないようになっていますので、無理に力を入れて挿入しないようにしましょう。スッと入ってカチッと音がするまで挿入します。

Set microsd cartd

microSDカードをセットしたら、キーボード、マウス、ディスプレイ、ネットワークを接続します。すべて接続が終わったら電源供給用のUSBケーブルを挿します。挿す時にはちょっと力が入りますので、Raspberry Piを持つ位置に注意してください。microSDカードのあたりをつかむと、microSDカードが外れてしまいますので注意です。

しばらく待っていると、OSを選択する画面が表示されます。(しばらくスクリーンショットはデジカメの画像になりますので見づらいです)

Raspbian install os list

Raspbianは一番上にあります。Raspbianを選択します。

Raspbian install selection

選択したら Install ボタンをクリックします。

Raspbian install click install

クリックすると、「これからOSをインストールするけど、microSDカードのデータはすべて消えちゃうけど、いいんですかね」って感じで聞かれます。Yesをクリックします。

Raspbian install confirmation

インストールが開始されますので、100%に行くまでしばらく待ちます。結構時間かかります。

Raspbian install

インストールが終わると、完了したよ、ってメッセージが表示されます。

Raspbian install completed

OKボタンをクリックすると、Raspberry Piが再起動します。

Raspbian install startup

しばらく待っていると、Raspbianのデスクトップ画面になります。

Raspbian install desktop

これでRaspbianのインストールが終わりました!

次はOSのセットアップです。

 

Raspbianをセットアップする

Raspbianのインストールが終わりましたが、このままですと日本語表示になっていませんし、日本語入力もできません。時計も(多分)ずれていますし、いろいろとOSの設定が必要になります。

セットアップでは以下の項目を設定します。

  • システムソフトウエアなどのアップデート
  • ファームウエアアップデート
  • 日本語フォントのインストール
  • 言語・タイムゾーン・キーボード指定
  • 日本語入力システムインストール
  • パスワード設定

それでは一つずつ設定していきます。

 

システムソフトウエアなどのアップデート

インストール直後は、システムを構成するソフトウエア類が最新のバージョンになっていないことがあります。そこで、最初にシステムソフトウエア類のアップデートを行います。今回はセットアップが目的ですので、詳細説明は行わず、手順のみ説明し、後の回で詳しく説明します。

アップデートはターミナルで行います。普段MacやWindows、Linuxではグラフィカルな画面でいろいろな操作をしていますが、Raspbian(Linux系OS)では文字ベースで操作することが非常に多いです。その操作を行うソフトウエアがターミナルアプリで、Raspbianでは LXTerminal というソフトウエアが標準でインストールされています。(Macではアプリケーションフォルダ→ユーティリティ→ターミナルアプリ、Linuxも標準でターミナルアプリがインストールされています。WindowsはMS-DOSプロンプトがターミナルに相当します)

それではLXTerminalのアイコンをクリックして立ち上げましょう。

Raspbian desktop

立ち上げるとこのようなウインドウが表示されます。

Lxterminal

これからしばらくこの画面でコマンドを入力して作業を行います。コマンド入力は以下の文字の後に入力します。これはコマンドプロンプト(コマンド入力を受け付けるもの)とも呼ばれます。

pi@raspberrypi ~ $ 

最初に以下のように入力してリターンキーを押します。(白い文字の部分のみ入力して、その後リターンキーを押します)

pi@raspberrypi ~ $ sudo apt-get update

ここでパスワードが聞かれることがあります。パスワードは

raspberry

ですので、raspberryと入力します。

いろいろな情報が出力されると思います。処理が終わるとコマンドプロンプトが表示されますので、次は以下のように入力します。

pi@raspberrypi ~ $ sudo apt-get upgrade

結構時間がかかると思いますので、しばらく待ちます。これ、何をやったのかよくわからないですよね。とりあえずここではシステムのソフトウエアをアップデートした、という理解で大丈夫です。後の回で詳しく説明します。この2つのコマンドはシステムソフトウエアやインストールしたソフトウエアのアップデートを行うものですので、たまにやったほうがいいです。

 

ファームウエアアップデート

次はファームウエアのアップデートです。これも先ほどと同様にコマンドプロンプトにコマンドを入力します。

pi@raspberrypi ~ $ sudo rpi-update

これでソフトウエア、ファームウエアのアップデートは終わりです。

 

日本語フォントのインストール

次に日本語フォントをインストールします。日本語フォントもいろいろ入手できますが、一般的なゴシックフォントをインストールします。

pi@raspberrypi ~ $ sudo apt-get install fonts-vlgothic

コマンドプロンプトが表示されたらインストール作業は終わりです。

 

言語・タイムゾーン・キーボード

次に、言語、タイムゾーン、キーボード設定を行います。

これらの設定は、デスクトップの設定ユーティリティで行ってみます。もちろん先ほどのターミナルから設定できますが、その設定方法は次回のリモートでセットアップする時に説明しますし、せっかくデスクトップの環境ですので、ユーティリティを使ってみます。

まず、左上のMENUを開いて「Raspberry Pi Configuration」を選択します。

Raspi configuration menu

以下のようなダイアログが表示されます。

Raspi config dialog

一番右の「Localization」というタブを選択します。

Raspi config localization

これからこのダイアログで「Locale」(言語地域)、「Timezone」(タイムゾーン)、「Keyboard」(キーボードタイプ)を設定します。

まずはLocaleです。Set Locale…ボタンをクリックすると以下のダイアログが表示されます。

Raspi config setlocale en

Languageのメニューで「ja(Japanese)」を探して選択します。選択すると以下のようになります。

Raspi config locale jp

OKボタンをクリックして設定完了です。

次に、Set Timezone…ボタンをクリックすると設定ダイアログが表示されますので、AreaをAsia、LocationをTokyoに設定します。

Raspi config timezone

次に、Set Keyboard…でキーボード設定を行います。CountryではJapan、Variantでは日本語配列であれば「Japanese(OADG 109A)」を選択します。他のキーボードの場合はいずれかを選択して、下の方にある「Type here to test your keyboard」という欄で試し打ちしてみてください。ここは入力テスト用のエリアです。(再起動するとキーボード設定が元に戻る現象を確認しています)

Raspi config keyboard

これで基本的なところは設定できましたので、以下の手順で一度再起動します。

まず、左上のMENUから Shutdown… を選択します。

Shutdown menu

ShutdownダイアログでRebootを選択してOKボタンをクリックすると再起動します。

Shutdown reboot

再起動するとデスクトップのメニューなどが日本語で表示されていると思います。

 

日本語入力システムインストール

このままですと、日本語入力ができませんので、日本語入力システムをインストールします。日本語入力システムはいろいろリリースされていますが、メジャーなAnthyというソフトをインストールします。

LXTerminalで以下のコマンドを入力します。

pi@raspberrypi ~ $ sudo apt-get install ibus-anthy

インストールが始まると、途中でメッセージが表示されて止まります。

英語の場合は以下です。

Do you want to continue? [Y/n]

日本語の場合は以下です。

続行しますか? [Y/n]

これは、念のためインストールしてよいかの確認です。

ここで、Linux共通の慣習を説明しておきます。質問の後に [Y/n] と書かれています。これは、この質問に対して、yかnで回答してほしい、という意味です(yはyes、nはnoです)。でもyは大文字になっていますよね。大文字の意味は、何も入力せずにリターンキーのみを押した場合は、回答は大文字の方って認識しますよ、ということになります。つまりこのように [Y/n] で聞かれた場合、リターンキーのみを押すか、yを入力してリターンキーを押すと、Yesの意味になります。Yesの場合はYと大文字で入力してくれ、という意味ではありません。Noの場合は n と入力してリターンキーを押します。

当然続行しますので、リターンキーのみを押します(yを入力してもOKです)。

なお、処理途中にこの確認がないようにしたい場合は、コマンド入力時に -y というオプションをつけます。例えば以下のような感じです。(赤文字部分)

pi@raspberrypi ~ $ sudo apt-get -y install ibus-anthy

それでは日本語入力システムの設定を行います。

まず、左上MENUから設定→iBusの設定を選択します。

Ibus menu

この時点で、日本語/英語入力の切り替えは Windowsキー + スペースキーに設定されています。また、日本語入力システムが認識されていない状態です。

以下のダイアログが表示されますので、これから日本語/英語入力の切り替えキー組み合わせと、日本語入力システムの設定を行います。

環境によっては、エラーダイアログが表示されるケースもありますが、その場合はエラーダイアログのOKボタンをクリックしてクローズしてください。しばらくすると以下のダイアログが表示されます。

Ibus dialog

このダイアログで「次の入力メソッド」という欄で、日本語/英語入力切り替えのキーの組み合わせを設定します。現在はSuper + スペース (Windowsキー + スペース)になっていますが、これをControlキー + スペースの組み合わせに変更してみます。

まず、以下のボタンをクリックします。

Ibus change button

設定ダイアログが表示されますので、まずSuper + Spaceを削除します。

Ibus super delete

次に新しいキーの組み合わせを指定するために、以下のボタンをクリックします。

Ibus new key

キーの組み合わせを指定するダイアログが表示されますので、そこでControlキーとスペースキーを押します(他の好きな組み合わせでも構いません)。ダイアログが自動的に閉じない場合は、閉じるボタンをクリックします。

Spece + Controlキーの組み合わせになっているか確認して、追加ボタンをクリックします。

Ibus add new key

次に、日本語入力メソッド(Anthy)を有効化します。

まず、入力メソッドタブを開いて、「日本語 – Anthy」を選択、追加ボタンをクリックします。

Anthy select

入力メソッドの選択ダイアログが表示されますので、日本語を選択します。

Anthy japanese

次に、Anthyを選択します。

Anthy japanese anthy

これでControlキー + スペースキーで日本語/英語の入力が切り替えられるようになったと思います。また、現在の入力の確認や、入力の設定などは以下のアイコンで行うことができます。

Anthy added

LXTerminalを開いて、日本語入力ができるか確認してみてください。

Anthy test

これでRaspbianの設定は終わりましたが、最後にパスワードを設定しておこうと思います。

ちょっと話がそれますが、Raspberry Piの電源を入れると、ログインしないでデスクトップが表示されました。これは自動ログインが有効になっているためです。自動ログインは、ユーザ名が「pi」、パスワードが「raspberry」で設定されています。

ただ、raspberryって入力しづらいので、パスワードを変更しておこうと思います。

LXTerminalを開いて、以下のコマンドを入力します。

pi@raspberrypi ~ $ passwd

このように入力すると、現在のパスワードが聞かれますので、「raspberry」と入力します。次に自分で決めたパスワードを確認含めて2回入力します。

pi@raspberrypi ~ $ passwd
pi 用にパスワードを変更中
現在の UNIX パスワード: (「raspberry」と入力)
新しい UNIX パスワードを入力してください: (新しいパスワードを入力)
新しい UNIX パスワードを再入力してください: (もう一度新しいパスワードを入力)

なお、ユーザ名は pi です。変更したいかもしれませんが、この入門シリーズの説明では最後までこのユーザを使用することにします。別途ユーザ名の変更の仕方とRaspberry Pi特有の注意点なども合わせて説明する予定です。

 

クライアントからの接続

今までローカルで設定してきましたが、この時点でMac/Win/Linuxからリモートで接続できます。次回のリモートで接続する説明以降をご覧ください。

 

電源OFF

左上MENUボタンには他にもいろいろなアプリケーションがありますので、立ち上げて確認してみてください。

電源をOFFする場合は、必ず左上MENUボタンから「Shutwodn…」を選択、「Shutdown」を選択してOKボタンをクリックして電源OFFの状態にしてから、電源用USBケーブルを抜いてください。

 

失敗してしまったら

いろいろと設定項目が多いので、よくわからなくなって変な設定をしてしまった、あるいは立ち上がらなくなった、というときなど、最初からやり直したいことがあると思います。

その場合はmicroSDカードをフォーマットして最初からやり直すことになります。

このmicroSDのフォーマットですが、OS標準のユーティリティの場合、MS-DOS(FAT32)フォーマット形式にしてもRaspberry Piが正しく立ち上がらないことがあります。このようなケースを避けるために、以下の方法でmicroSDカードをフォーマットします。

SDカード公式団体が、公式のフォーマットアプリを頒布しています。そのアプリでフォーマットします。

まず、以下のサイトにアクセスします。

SDカードフォーマッター

ここに、Macintosh用とWindows用のアプリがありますでダウンロードします。

アプリの操作方法の詳細説明は省略しますが、フォーマットオプションは「上書きフォーマット」の方が確実です。ただし、時間がかなりかかりますが…

なお、Macitnoshユーザの方は1点注意があります。

このアプリはコードサインされていないため、インストーラをクリックしても開けないケースがあります。この場合は、インストーラを右クリック(コンテキストメニュー)から「開く」を選択します。

次回はリモートからセットアップする方法を説明します。

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  • VividHobby

    PICの電子工作をしていますが、今回初めてRaspberryPi3を導入しました。
    こちらのサイトは、初心者にもわかりやすく、どうにかインストールができ、デスクトップが立ち上がり、インターネットまでできるようになりました。
    ありがとうございます。

  • claynets

    VividHobbyさん、
    コメントどうもありがとうございます。

    どの記事も1年以上前の内容になりますので、一部古い記述もあります。わからな点などございましたら、コメント欄かお問い合わせページからご連絡いただければと思います。

    最近は、Raspberry Pi Zeroなど、いろいろなタイプが出てきていますので、Linuxやプログラミング言語の勉強は必要ですが、使えるようになると世界が広がりますので、ぜひいろいろチャレンジされてください!!