第6回 ハンダ付け作業手順

今回は、ハンダ付け作業の手順とコツを確認します。

今回の説明内容

実際にハンダ付けを行う前に、そのやり方やコツを説明します。ハンダ付けは、ハンダを溶かしてくっつける、という単純な作業に思えますが、結構奥が深く、早く慣れるためのちっとしたコツがありますので、今回は手順やコツを説明します。

 

部品取り付け順番

これから、いろいろな部品をユニバーサル基板ハンダ付けしていきますが、部品を取り付ける順番に気をつけます。

今回ハンダ付けする部品は、電線、抵抗、LED、ターミナルブロックです。これらの部品の高さはさまざまです。

Pic practice 6 parts height

このように高さが異なる部品をハンダ付けする場合は、高さが低い部品から取り付けます。

例えば、最初に高さがあるターミナルブロックを取り付けてしまうと、その高さのために基板が安定しません。あとから抵抗などの高さがない部品をハンダ付けする場合、作業がやりづらくなってしまいます。

Pic practice 6 terminal block on board

練習基板の部品の場合は、「電線」→「抵抗」→「ターミナルブロック」→「LED」の順でハンダ付けしていきます。

ターミナルブロックはLEDより高さがあるため、最初にLEDをハンダ付けしたほうがよさそうですよね。手元に部品があれば確認していただければと思います。でも、実際にユニバーサル基板にターミナルブロックとLEDをセットすると、LEDの方が高さが出てしまいます。そのため、今回の練習基板では、LEDを最後にハンダ付けします。

Pic practice 6 led height

とはいっても、ハンダ付けする順番が間違ってしまったら失敗なのか?、というとそんなことはありません。誰でも間違いをしてしまうものです。うっかり背の高い部品を先につけてしまったり、あとから回路を変更して、どうしても小さい部品をハンダ付けしたい場合も出てきます。

ハンダ付けの練習では、そのようなケースも想定して、LEDを2個付けたあと、点灯確認を行い、そのあともう1個追加でハンダ付けすることによって、あとから背の低い部品を取り付ける練習をしてみます。

 

ハンダ付けのコツ

次に、ハンダ付けのコツを説明します。

ハンダ付けは、その「仕組み」と言いますか、ハンダ付けの最中に何が起こっているのか理解しておくと、コツをつかみやすくなります。そこで、ハンダ付けの仕組みを説明した上で、どのよう手順でハンダ付けを進めればよいか説明します。

第2回の記事で、ハンダ付けとは「ハンダ」を「ハンダこて」で溶かして部品などを接合する作業、と説明しました。このように書くと、ハンダ付けは固形の糊のようなものを溶かし、電子部品同士を糊でくっつける作業、というイメージが浮かぶと思います。でも実際は、一般的な糊付けとは違う現象が起こっているんです。

ユニバーサル基板の穴にLEDを挿したときに、以下の断面を見てみます。

Pic practice 6 cross section

この断面は以下のようになっています。

Pic practice 6 cross diagram

ユニバーサル基板の裏側には、銅の薄膜が貼り付けられています。この銅の薄膜部分とLEDのリード線をハンダ付けすると、ハンダが糊のように両者をくっつける訳ではなく、以下のように、ハンダと薄膜が接する部分と、ハンダとリード線が接する部分に「合金の層」を作っているんです。

Pic practice 6 alloy layer

この合金層ができることにより、電気的接続がしっかりし、また物理的な接続強度も確保できます。

ここがハンダ付けの重要なポイントになります。この「合金の層」をつくるには、ハンダを溶かすことはもちろんのこと、ユニバーサル基板の銅の薄膜部分も、リード線も十分に熱する必要があります。

もし、銅の薄膜部分やリード線を十分に熱しないままハンダ付けをすると、ハンダ自体は溶けてハンダ付けする部分に付着するので、一見ハンダ付けできたように見えます。でも実際は合金層が作られず、接続不良になることがあります。

ハンダ付けのコツは、この合金層を作ることを意識して作業することが重要です。以下のようにこて先を部品のリード線と基板の銅薄膜に接触させることを意識するように作業しましょう。

Pic practice 6 bnn

作業中は合金層を作るイメージを頭に描いてみてください。実際には合金層が見えることはないので、単なるイメージですが、このイメージすることが意外に大切なんです。

また、この合金層は適度な厚さが必要です。熱し方が足りないと、十分な厚さの合金層が作られずに接続不良や強度不足の原因になります。一方で熱しすぎるとハンダが酸化するなどして強度不良を起こしてしまいます。

ここまでの説明で、ハンダ付け作業では、ハンダ付けする部分を十分熱することが重要であることがわかりました。

ところで、ハンダ付けするときのハンダの量はどのぐらいつければ適当なのでしょうか。ハンダの量は、以下のように富士山型がよいと言われています。

Pic practice 6 fujiyama shape

ただ、頭で理解できても、最初からこのように富士山型にするのは難しいです。何回かハンダ付けを経験して慣れることが必要です。最初は量にあまり気をとらわれないで、まずは基本的な手順に慣れるようにしましょう。

ところで、以前から疑問なんですが、この「富士山型」というのは英語でなんて言ってるんですかね。富士山は世界的に知っている人もいますので、「Fujiyama shape」とか呼ぶんでしょうか。

 

ハンダ付け作業手順

ここまでイメージができましたら、ハンダ付けの手順を確認します。手順は以下の3ステップで、それぞれのステップの作業時間は1秒程度です。

1. ハンダ付けする部分を熱する(1秒程度)

ハンダを溶かす前に、ハンダ付けする部分を1秒程度熱します。ハンダ付けする部分の大きさによっては数秒熱する必要がありますが、練習基板の場合はいずれの場所も1秒程度です。

最初に「十分熱する必要がある」と説明しましたので、10秒ぐらいハンダこてを当てるのかな、と思った方もいらっしゃるかもしれません。でも、熱する部分は、ユニバーサル基板の銅の薄膜は、厚さが約35μm、電子部品のリード線は直径1mm程度ですので、1秒ぐらい熱すれば十分です。逆にそれ以上熱すると、電子部品本体が熱くなりすぎて故障の原因になります。

Pic practice 6 soldering step1

 

2. ハンダを溶かす

次に、ハンダ付けする部分にハンダを押し付けてハンダを溶かします。ハンダを押し付けるとどんどん溶けますので、押し付ける加減でハンダの量を調整します。ただ、最初はどのぐらい押し付ければ、富士山型にできるか感覚がわからないと思いますので、何度か練習して確認することになります。ハンダを必要量溶かしたら、すぐにハンダを離します。「ハンダを押し付ける」→「溶かす」→「ハンダを離す」という一連の動作で1秒程度です。

Pic practice 6 soldering step2

 

3. 溶けたハンダを行き渡らせる

ハンダを離した後、1秒程度ハンダこてをハンダ付け部分にそのまま付けておきます。溶けたハンダをハンダ付け部分に十分に行き渡らせるためです。このステップが終わるとちょうどいい感じで合金層も作られています(合金層は目で確認できませんが…)。

Pic practice 6 soldering step3

 

ハンダ付け作業まとめ

最後に、ハンダ付けの作業感覚をつかんでいただくために、上の3ステップを動画にしました。上手いハンダ付けとはとても言えるものではありませんが、時間的な感覚を参考にしてみていただければと思います。

以上がハンダ付けの作業手順とコツです。次回は実際に練習基板のハンダ付けをします。全部のLEDが光りますように!

 

更新履歴

日付 内容
2018.3.18 新規投稿