第5回 補足 – ライブラリメニュー

Arduino IDEのライブラリのメニューの使い方について補足します。

目次

ライブラリ

第3回の記事で、Keyboardライブラリの基本的な使い方を説明しました。

基礎編パート2では、Keyboardライブラリ以外にも他のライブラリを使用します。そこで今回の記事では、Arduino IDEのライブラリのメニューの使い方を確認します。

「ライブラリをインクルード」メニュー

Arduino IDEの「スケッチ」メニューの中に「ライブラリをインクルード」というメニューがあります。

ライブラリのインクルードメニュー

ライブラリに関連するメニューはここにまとめられていますので、今回はこの「ライブラリのインクルード」メニューの中身を一通り確認します。実際にどのような機能があるか確認しますので、新規ファイルを作成して確認しましょう。

それでは、Arduino IDEを起動してください。起動後に「ファイル」メニューから「新規ファイル」を選択して新規ファイルを作成してください。

準備ができたら「スケッチ」メニューの「ライブラリをインクルード」メニューを選択してください。

以下のようなメニューが表示されますが、まだ皆さんのArduino IDEでは追加のライブラリをインストールしていませんので、かなり少ないメニューが表示されると思います。その場合は、こういうメニューの意味なんだな、という理解だけで大丈夫です。

ライブラリリスト

それでは、それぞれのメニューの意味を説明します。

(1)ライブラリを管理

このメニューは第2回の記事で説明しました。

Arduinoには標準ライブラリ以外にも非常に多くのライブラリが提供されています。これらのライブラリは、この「ライブラリを管理」メニューからインストールや更新などの管理を行います。

基礎編パート2では、このライブラリの管理機能を使用して、ライブラリをインストールして使用しますので、そのときに理解を深めてください。

(2).ZIPファイル形式のライブラリをインストール…

Arduinoのライブラリは、上の「ライブラリを管理」ダイアログで提供されているライブラリ以外にも、多くのライブラリが提供されています。

そのようなライブラリはいろいろなWebサイトからZIPファイルで配布されています。ZIPファイルで入手したライブラリは、この「.ZIPファイル形式のライブラリをインストール…」メニューでインストールします。

(3)Arduinoライブラリ

この部分には、Arduino IDEで標準で利用できるライブラリが表示されます。このシリーズで利用している「Keyboardライブラリ」も表示されていますよね。

他にも、多くの人が利用すると思われるライブラリが標準ライブラリとして提供されています。

(4)提供されたライブラリ・(5)推奨ライブラリ

この部分には、 「(1)ライブラリを管理」「(2).ZIPファイル形式のライブラリをインストール…」でインストールしたライブラリが表示されます。これらのライブラリは「提供ライブラリ」と「推奨ライブラリ」で分類されて表示されます。

基本的に、あとからインストールしたライブラリは「提供されたライブラリ」に表示されます。ただし、一部のライブラリは「推奨ライブラリ」に表示されます。

「推奨ライブラリ」は、あとからインストールしたライブラリのうち、特定のライブラリがここのエリアに表示されます。「推奨」となっていますが、ここに表示されるライブラリはAdaFruits社のライブラリとなっています。AdaFruits社はArduinoを活用した製品を多く開発しているため、利用機会が多く「推奨ライブラリ」にされているのだと思います。

ライブラリをインクルードするには

Keyboardライブラリを利用するときに説明しましたが、ライブラリを使用するには、ライブラリのヘッダファイルをインクルードすればよかったんですよね。例えば、

#include <Keyboard.h>

というようにプログラムのヘッダ部に書きました。

ところでこの先、ライブラリを利用する場合に正確なヘッダファイル名がわからないことが出てきます。Arduino IDEは大文字と小文字を間違えただけで激おこになりますので、ファイル名はきちんと調べてから#include文を書く必要があります。

このようにいちいち正確なヘッダファイル名を調べるのも面倒ですので、そのような場合はこのライブラリメニューを使いましょう。

それでは、先ほど作成した新規ファイルを開いてください。

開いたら、これから行う操作をわかりやすくするために、プログラムの先頭を何行か空けてください。

新規ファイル

例えば、Keyboardライブラリを利用したい場合、この状態で「スケッチ」→「ライブラリのインクルード」→「Keyboard」を選択してください。選択すると、プログラムの1行目に

#include <Keyboard.h>

と自動的に入力されたと思います。

Keyboard.h

このように「ライブラリのインクルード」メニューを使用すると、利用するライブラリのヘッダファイル名が正確にわからなくても、#include文を書けます。

ところで、Keyboardライブラリのヘッダファイルは「Keyboard.h」なので、ヘッダファイル名はライブラリ名に「.h」を追加しただけですよね。ということは他のライブラリもライブラリ名に「.h」をつけるだけなので、あえて「ライブラリをインクルード」メニューなんて必要ないですよね。

でも、ライブラリによってはちょっと役に立つことがあるんです。

例えば、「スケッチ」→「ライブラリのインクルード」→「WiFi」を選択してみてください。

WiFiライブラリ

Keyboardライブラリとは違って、複数のヘッダファイルがインクルードされましたよね。

この「WiFi」ライブラリを利用すると、Arduinoでインターネットにアクセスしたり、Arduino自身がWebサーバとして動作するプログラムが簡単に作成できます。ただし、WiFiライブラリは複数のライブラリから構成されていて、一つのヘッダファイルをいんクルードするだけですと、機能が足りません。

具体的には、「WiFiライブラリ」は、ネットワークに接続する機能の「WiFi」、ネットワークの基本的な通信を行う「WiFiUdp」、インターネットにアクセスする「WiFiClient」、Arduino自身がWebサーバとして動作する「WiFiServer」のライブラリから構成されています。

このように「ライブラリのインクルード」メニューを使用すると、ライブラリを利用する際以下のメリットがあります。

  • ライブラリのヘッダファイル名が分からなくても、スケッチに自動的に#inluce文を書いてくれる
  • 複数のライブラリから構成されているライブラリの場合、提供されているヘッダファイルを全て確認できる

ということで、ライブラリを使用する際、このメニューも活用してみてください。

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