今回はArduino IDEをインストールします。
今回やること
今回の記事では、Arduino IDEをPCにインストール、セットアップを行います。
Arduinoの公式サイトからArduino IDEのインストーラをダウンロードする手順まではWindowsとMacで共通で説明しますが、インストール手順についてはそれぞれのOSで別に説明します。お使いのOSに合わせてお読みください。
2種類のArduino IDE
2022年9月、Arduino IDEの大きなバージョンアップがありました。大きなバージョンアップすぎて、Arduino IDEのアプリケーション名とアイコンも変更されています。
そこで、インストール作業を始める前に旧バージョンと新バージョンの2種類の違いを確認しておきましょう。
項目 | 旧バージョン | 新バージョン |
---|---|---|
アプリ名 | Arduino | Arduino IDE |
バージョン | Version 1.x.x | Version 2.x.x |
アイコン | ![]() |
![]() |
機能 | ユーザインターフェースの変更 デバッグ機能追加 |
|
対応OS | Windows7以降 macOS 10.10以降 (Yosemite以降) Linux |
Windows10以降 macOS10.14以降 (Mojave以降) Linux |
このようにアプリ名とアイコンが変更になっていますので、両方とも同時にインストールしても利用できるようです。私の場合、記事を書くために両方のバージョンをインストールして使用していますが、今のところ大きな問題は出ていません。
また「大きなバージョンアップ」と説明しましたが、変更は大きく2点あります。
ひとつはユーザインターフェースが変わりました。ちょっとモダンなユーザインターフェースになった感じでしょうか。使用感はそれほど変わらない印象です。
もうひとつは「デバッグ機能」の追加です。って言われてもよく分かりませんよね。どのようなものか簡単にイメージを説明しておきます。
デバッグ機能とは「プログラムを作成してArduinoを実際に動作させるときに、Arduinoの中でプログラムがどのように動いているのか、Arduinoの中を覗くような機能」です。このデバッグ機能を使うと、プログラムが思った通りに動かないときに、Arduinoの中で何が問題で動いていないのか、Arduinoの中の動きを見ながら詳しく調べることができます。
このデバッグ機能は、「基礎編1」と「基礎編2」では出てきませんので、頭の片隅に置いておいてください。
これからこの2つのバージョンのインストールとセットアップ方法を説明していきますが、アプリ名では区別がつきにくいので、旧バージョンを「バージョン1系列」、新バージョンを「バージョン2系列」と呼ぶことにします。
ところで、新しいバージョンがリリースされているのに、なぜ古いバージョンも説明するんだろう、って思いますよね。
私自身も経験したのですが、Windows版のバージョン2系列は環境によってはインストールがうまくいかないことがありました。対処方法についてもこの記事で説明しますが、どうしてもうまくいかない場合は当面バージョン1系列を使用することをお勧めします。
シリーズ記事「Arduinoでプログラミング入門」の「基礎編1」と「基礎編2」で説明している内容は、どちらのバージョンでも対応していますし、デバッグ機能を使わない限り、バージョン1系列と2系列はそれほど大きな差はありません。バージョン1系列でも問題なく進められます。
それでは、これからバージョン2系列、1系列それぞれについて、インストール方法とセットアップ方法を説明します。
バージョン2系列のインストールとセットアップ
先ほども説明しましたが、Windows版のバージョン2系列のインストールとセットアップは問題が出ることがあります。そこでWindows版手順については対処方法込みで説明します。
Adruino IDEインストーラのダウンロード
それでは、最初にArduino IDEのインストーラをダウンロードしましょう。以下のサイトにアクセスします。
https://www.arduino.cc(別ウィンドウで開きます)
次に、トップページの上の方に「SOFTWARE」(ソフトウエア)というメニューがありますのでクリックします。
Arduino IDEのOSを選択するページになりますので、最初にバージョンが「2.x.x」になっていることを確認して、Windowsの場合は一番上の「Windows」を、Macの場合は「macOS」をクリックします。(ページの下の方に同じような見た目でバージョン1系がありますので注意してください)
Adruino IDEのダウンロードページが表示されます。画面右下の方にある「JUST DOWNLOAD」という文字をクリックするとダウンロードが始まります。
「JUST DOWNLOAD」とは「ダウンロードするだけ」という意味ですが、「だけ」ってなんだよ、って感じですよね。
第2回の記事で説明しましたが、Arduinoはオープンソースハードウエアで開発されていて、Arduino IDEも無償で提供されています。このような背景もあり、ダウンロードページでは寄付を募っています。
寄付をする場合は、寄付する金額のボタン($3など)をクリックするか、「CONTRIBUTE & DOWNLOAD」をクリックすると、寄付の画面になります。
現在はクレジットカードかPayPalでの支払いが可能です。Arduino IDEは無償ですが、もしこのシリーズでプログラミングを習得して、Arduinoすごい、って思ったら寄付してみてはいかがでしょうか。私も1年に1回ぐらい寄付しています(ちょっとだけですが…)。
Arduino IDEのインストーラがダウンロードできたら、次はインストールです。以下、OSごとに説明しますので、使用しているOSの説明を確認してください。
Arduino IDEのインストール(macOS編)
ダウンロードしたファイルはディスクイメージファイル(dmgファイル)になっています。このファイルをダブルクリックします。
なお、ファイル名はバージョン番号がついています。ダウンロードしたファイル名は以下のスクショとは違う名前になっていると思いますが問題ありません。
ダブルクリックすると、以下のようなウィンドウが表示されます。以下のようにArduino IDEを右側のアプリケーションフォルダにドラッグ&ドロップすればインストール完了です。必要に応じてDockに登録しておきましょう。
これでArduino IDEのインストールは終わりです。「Arduino IDEのセットアップ」の項目に進んでください。
Arduino IDEのインストール(Windows編)
バージョン2系のインストールするとき、OSシステムに対する変更もあるようです(デバッグ用ドライバソフトのインストールなどでしょうか)。2022年9月時点でリリースされているVersion2.0.0では、ウィルスセキュリティソフトによりインストールが失敗することがあります。
そこで、インストール作業を始める前に、ご利用のウィルスセキュリティソフトをOFF(無効)にしてください。
次にインストーラを管理者権限で実行します。以下のようにダウンロードしたインストーラを右クリックして、表示されるメニューから「管理者として実行」を選択します。
続いて以下の確認がありますので「はい」を選択します。
次にライセンスの確認がありますので「同意する」ボタンをクリックして次に進めます。
次はArduino IDEをインストールするユーザ選択です。複数ユーザアカウントを使い分けている場合は「コンピュータを使用しているすべてのユーザ用にインストールする」に変更します。確認後「次へ」ボタンをクリックします。
次にインストール先フォルダの選択です。特に問題なければこのままの設定で「インストール」ボタンをクリックします。
インストールが完了すると以下のような画面が表示されます。すぐArduino IDEを起動してセットアップを行いますので「Arduino IDEを実行」のチェックボックスはONのまま「完了」ボタンをクリックします。
続いてArduino IDEのセットアップ作業です。
Arduino IDEのセットアップ
macOSの場合、インストールしたArduino IDEをダブルクリックして起動します。起動すると以下の書類フォルダへのアクセス許可を求める画面が表示されますので、OKボタンをクリックします。
Windowsの場合は自動的に起動されていると思います。
起動後、以下のような画面が表示されれば問題ありません。
なお、Windowsの場合、以下のようなエラーメッセージが出た場合は、一度Arduino IDEを終了後、ウィルスセキュリティソフトがOFFになっているか確認してから再度Arduino IDEを起動してください。上の起動後の画面が表示されたら、すぐにウィルスセキュリティソフトをONにします。
次に、Arduino IDEのセットアップを行います。ユーザインターフェースの言語を日本語に変更して、必要があれば文字の大きさを変更します。
macOSの場合は「Arduino IDE」メニューから「Preferences…」を選択します。Windowsの場合は「File」メニューから「Preferences…」を選択します。
設定画面が表示されます。中央付近に「Language」(言語)設定がありますので、メニューから「日本語」を選択します。また、「Editor Font Size」設定でフォントサイズの変更できますので、必要に応じて変更してみてください。
次に、ユーザフォルダの中のドキュメントフォルダ、または書類フォルダを確認してみてください。
以下のようにArduinoフォルダが作成されていると思います。
Arduino IDEで作成したスケッチなど、Arduino IDE関連のものは全てこのフォルダに保存されることになります。
もし、このArduinioフォルダの場所や名称を変更したい場合、以下の手順で設定を変更してください。なお、今後の説明では変更していないことを前提に説明しますので、特別理由がない限りこのままにしておくことをお勧めします。
最初に使用したいフォルダを自分の好きな場所に好きな名前で作成します。
次に、macOSの場合は「Arduino」メニューの「基本設定…」メニューを選択、Windowsの場合は「ファイル」メニューの「基本設定…」メニューを選択します。
設定画面が表示されますので、「スケッチブックの保存場所」設定の参照ボタンをクリックします。クリックするとフォルダ指定ダイアログが表示されますので、先ほど作成したフォルダを指定します。
これでArduino IDEのインストールとセットアップは終わりです。以降の内容はバージョン1系列のインストールとセットアップ手順になります。
バージョン1系列のインストールとセットアップ
バージョン1系列のインストールとセットアップを行います。
Adruino IDEインストーラのダウンロード
それでは、最初にArduino IDEのインストーラをダウンロードしましょう。以下のサイトにアクセスします。
https://www.arduino.cc(別ウィンドウで開きます)
次に、トップページの上の方に「SOFTWARE」(ソフトウエア)というメニューがありますのでクリックします。
クリックすると、バージョン2系列のインストーラが表示されます。ページを下の方にスクロールすると、以下のようにバージョン1系列のインストーラがあります。
バージョンが1系列であることを確認して、Windowsの場合は「Windows Win 7 and newer」を、Macの場合は「Mac OS X 10.10 or newer」をクリックします。
Adruino IDEのダウンロードページが表示されます。画面右下の方にある「JUST DOWNLOAD」という文字をクリックするとダウンロードが始まります。
「JUST DOWNLOAD」とは「ダウンロードするだけ」という意味ですが、「だけ」ってなんだよ、って感じですよね。
第2回の記事で説明しましたが、Arduinoはオープンソースハードウエアで開発されていて、Arduino IDEも無償で提供されています。このような背景もあり、ダウンロードページでは寄付を募(つの)っています。
寄付をする場合は、寄付する金額のボタン($3など)をクリックするか、「CONTRIBUTE & DOWNLOAD」をクリックすると、寄付の画面になります。
現在はクレジットカードかPayPalでの支払いが可能です。Arduino IDEは無償ですが、もしこのシリーズでプログラミングを習得して、Arduinoすごい、って思ったら寄付してみてはいかがでしょうか。私も1年に1回ぐらい寄付しています(ちょっとだけですが…)。
Arduino IDEのインストーラがダウンロードできたら、次はインストールです。以下、OSごとに説明しますので、自分のOSの項目の説明を確認してください。Macの方が手順が少ないので、Macを先に説明します。
Arduino IDEのインストール(macOS編)
ダウンロードしたファイルは圧縮ファイル(ZIPファイル)になっています。なお、ファイル名はバージョン番号がついています。ダウンロードしたファイル名は以下のスクショとは違う名前になっていると思いますが問題ありません。
ダブルクリックして解凍します。なお、ブラウザによってはすでに解凍されているかもしれません(Safariをデフォルト設定で使っている場合など)。
解凍すると、以下のように「Arduino」というアプリになります。これがArduino IDEのアプリ本体ですので「アプリケーション」フォルダに移動します。
必要に応じてDockに登録しておきましょう。
これでArduino IDEのインストールは終わりです。「Arduino IDEのセットアップ」の項目に進んでください。
Arduino IDEのインストール(Windows編)
ダウンロードしたファイルをダブルクリックしてインストーラを起動します。なお、ファイル名はバージョン番号がついています。ダウンロードしたファイル名は以下のスクショとは違う名前になっていると思いますが問題ありません。
インストーラの実行確認がありますので「はい」をクリックします。
Arduino IDEのインストーラが起動します。最初にライセンスの確認がありますので「I Agree」ボタンをクリックします。
次にインストール設定の確認ですが、変更せずに「Next>」ボタンをクリックします。
インストール場所の設定ですが、特に変更の必要がなければ「Install」ボタンをクリックします。
クリックするとインストールが始まります。
インストールが終わると「Completed」(完了)になりますので、「Close」ボタンをクリックしてインストーラを終了します。
なおArduino IDEのバージョンによっては、インストール開始後にUSBドライバのインストールをするかの確認ダイアログが表示されるケースがあります。その場合は「Yes」を選択してください。
これでArduino IDEのインストールは終わりです。
Arduino IDEのセットアップ
これからArduinoを起動しますが、その前にWindowsの場合は「ドキュメント」フォルダ、macOSの場合は「書類」フォルダを開いてください。
Arduino関連のものはまだ何もないですよね。
それでは、Arduino IDEを起動してください。起動すると、以下のようにArduinoフォルダが作成されたと思います。
Arduino IDEで作成したスケッチなど、Arduino IDE関連のものは全てこのフォルダに保存されることになります。
もし、このArduinioフォルダの場所や名称を変更したい場合、以下の手順で設定を変更します。なお、今後の説明では変更していないことを前提に説明します。
最初に使用したいフォルダを自分の好きな場所に好きな名前で作成します。
次に、Windowsの場合は「ファイル」メニューの「環境設定」メニューを選択、macOSの場合は「Arduino」メニューの「Preferences…」メニューを選択します。
以下のダイアログが表示されますので、「スケッチブックの保存場所」の設定を変更します。変更は参照ボタンをクリックするとフォルダ指定ダイアログが表示されますので、先ほど作成したフォルダを指定します。
更新履歴
日付 | 内容 |
---|---|
2019.7.10 | 新規投稿 |
2019.7.14 | フォルダ作成・設定の手順を削除 |
2021.8.21 | 新サイトデザイン対応 |
2022.2.2 | Arduinoダウンロードページを最新版に差し替え |
2022.9.19 | Arduino Version2系の説明追加 |