第1回 はじめに

Raspberry Piを小さなコンピュータとして使うのも楽しいですが、電子工作を組み合わせるともっといろいろなことができるようになります。このシリーズでは具体的に手を動かしながらRaspberry Piの使い方と簡単な電子工作技術を身につけていきたいと思います。

目次

説明の進め方

このシリーズでは、Raspberry Piを使って簡単なガジェットを作ります。

複雑なものを作るわけではないので、部品のつなぎ方を説明して、完成したプログラムをコピペして、、、というだけであれば、完成させるのに2〜3回の記事、作業時間も2〜3時間ぐらいで済んでしまうと思います。

とはいっても、ただ電子部品を言われた通りに接続して、、、プログラムをコピペして、、、というだけでは、知識がなかなか身に付かないものです。

そこで、このサイトでは実際に一緒に手を動かして、途中で立ち止まりながら多くの「ツール」(知識)を身につけていきます。記事は全部で30ほどあり、ちょっと長いシリーズになってしまいますが、いろいろな知識が身につけられるように説明を進めていきます。

早く完成させることを目的とするのではなく、知識を身につけることに重きを置いていただければと思います。わからないところがあったら立ち止まってじっくり考えるようにしましょう!

このシリーズで作るもの

このシリーズで作るものを説明します。

Raspberry Piを使用した電子工作をするには、やはりRaspberry Piを使う必然性が必要です。ちょっとしたことですと、100円程度のマイコンを使えばできてしまいます。そこでこのシリーズでは「100円程度のマイコンで実現するにはかなり大変だけど、Raspberry Piだったら簡単にできるよ」って感じのものを考えてみました。

作るものは、ウェブサイトから天気予報と鉄道の運行状況の情報を取得して、LEDの点滅で表現する、というものです。

朝、学校に出かける前って慌ただしいですよね。そういう時は、傘が必要か、電車は遅延してないか、とか気になっても、スマホでサッと調べればわかることでもちょっと面倒だったりしませんか。まぁいいか、って何も持たずに出かけた時に限って雨が降ってきたり、駅に着いたら電車が遅れていたり、とかあったりします。人生そんなもんです。

ということで、こんなものを作ろうと思います。

製作するもの

ネットから取得した天気予報の情報を左側の4個のLEDを点滅させて表現します。天気予報は「晴れ」などのひとつの天候以外にも「晴れのち曇り」とか「晴れ時々曇り」とかありますので、それらを点滅で表現したいと思います。また鉄道運行状況もネットから取得して「通常運行」は青色、「遅延発生中」は黄、「運転見合わせ中」は赤色、という感じで表示しようと考えています。

言葉では分かりづらいので、動画にしてみました。これはサンプルで仮製作したものですので、実際の完成品は仕様が異なるかもしれません。

朝忙しいときに、Raspberry Piの情報でサクッと情報を確認できればいいですよね。

前提となる知識

このシリーズを読むにあたり、電子工作に関する知識は必要ありません。途中オームの法則も出てくる予定ですが、基本から説明しようと思います。

ハードウエアに関しては、PCのスペックがわかる程度で大丈夫です。

ソフトウエアですが、プログラミング言語は何か1つぐらい触れたことがあることを前提にしています。プログラムはPHPとPythonで作成します。このシリーズで使用するPHPやPythonの文法は多くありませんが、変数とは何か、関数とは何か、などのプログラミングの基本的な説明はしませんので、ご了承ください。

また、Raspberry PiにインストールするOSはLinuxですが、Linuxについても基本的なところから説明します。

説明の順序

説明は、大きくわけて以下の順序を予定しています。

  1. Raspberry Piの概要
    Raspbeery Pi本体の概要や、動作させるためのセットアップ方法、開発方法の概要を説明します。
  2. 揃えるものと予算
    電子工作をしますので、Raspberry Pi以外にも揃えるものがあります。その内容と予算を説明します。
  3. Raspberry Piのセットアップ&開発環境構築
    いよいよRaspberry Piをセットアップして動作させます。また必要なソフトなどをインストールして開発環境を作ります。
  4. 回路の設計と組み立て
    電子回路と電子部品の基礎を説明して、実際にLEDを点灯してみます。LEDの使い方がわかったら、回路を設計して組み立てます。
  5. システムをつくる
    Raspberry Pi上でプログラムを作成してLEDを光らせてみます。次に、Raspberry Piでスイッチの状態を読み取って、スイッチの使い方を確認します。ここまでできれば必要な材料は揃いましたので、いよいよプログラムを完成させます。
  6. チャレンジ課題
    最後に課題にチャレンジします。

このような手順で、ステップバイステップで知識を積み上げながら製作していきます。このシリーズで一緒につくるものは、仕様的に足りないところがあります。それについてはチャレンジ課題、ということで最後に挑戦しましょう!

更新履歴

日付 内容
2015.10.4 新規投稿
2019.1.13 一部表記変更
2021.8.27 新サイトデザイン対応
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