PICマイコン電子工作入門の実践編で製作する回路のプロトタイプ版がやっとできました!
PICマイコン電子工作入門実践編で製作するもの
前回の記事で、PICマイコン電子工作入門の実践編で製作するものについて、検討していることを書きましたが、結局、前回ご紹介した内容の製作物で実践編を書いてみることにしました。
PICマイコンは、プログラム容量やメモリ容量に余裕があり、入手しやすいPIC16F18857を使用します。また、センサとして「温湿度・大気圧センサ」「温度センサ」をつけて、情報表示にLCDディスプレイを使用します。
具体的な技術内容は実践編の中で説明することにしまして、今回はセンサについて説明したいと思います。
温湿度・大気圧センサ「BME280」
温湿度と大気圧を測定するためにBOSCH社(ボッシュ社)の「BME280」というセンサを使用したモジュールを使います。BME280自体は非常に小さく、これをブレッドボードで使いやすいようにモジュール化したものが売られています。
BME280使用 温湿度・気圧センサモジュールキット (秋月電子通商)
BME280本体は非常に小さく、だいたい2mm角ぐらいでしょうか。
非常に小さいセンサですので大した性能はでないのでは、と思われるかもしれませんが、性能はかなり高いです(値段も高いですが…)。
湿度センサの中には反応速度が遅い種類もありますが、BME280に搭載されている湿度センサの反応速度は速く、ちょっと息をかけるとすぐに数値が変化します。分解能は0.008%ですが、一般的な環境では湿度はすぐに数%ぐらい変わるので環境測定ではここまでの分解能は必要ないかもしれませんね。
また気圧センサも性能が高く、分解能は0.18hPa(ヘクトパスカル)です。0.18hPaと言われてもピンときませんが、高さにしてどのぐらいか計算してみると、10m高くなると気圧は約1hPa低くなりますので、0.18hPaは高さにして10m x 0.18 = 1.8mということで、約2mの高さの変化がわかる、ということになります。
高さでは約2mですが、いろいろと実験したところ、1mぐらい高さを変えると気圧の数値に変化が見られました。また、キッチンの換気扇を回している場合と停止している場合でも、部屋の気圧の変化が観測できました。
湿度も気圧も、この程度まで細かい変化がわかるとアイデア次第で何か面白いものが作れるかもしれせんよね。
なお、このセンサモジュールには温度センサもついていますが、温度センサは別途用意することにしました。理由ですが、BME280の温度センサは、あくまで湿度と気圧の補正用です。温度が変わると湿度センサや気圧センサの特性が変わるため、BME280内のセンサの温度を測定して、測定された値を修正します。測定中はセンサの温度が若干上昇するため、BME280で測定した温度は周囲環境の温度にくらべて1度〜2度程度高くなってしまいます。そのため、温度については温度センサを別に用意して測定することにしました。
温度センサ「ADT7410」
温度センサは単機能のものを使用することにしました。
ADT7410使用 高精度・高分解能 I2C・16Bit 温度センサモジュール
この温度センサも性能は高く、分解能は0.0078度です。センサ本体はかなり小さいですが、こちらもブレッドボードなどで使用しやすいようにモジュール化されています。
ほんのちょっとの温度変化もわかるので、こちらも何かアイデア次第で面白いものが作れるかもしれません。
プロトタイプの動作確認
PICマイコン電子工作入門の実践編で説明する内容を盛り込んで、プログラムを試作してみました。LCDディスプレイは色々な情報を表示できますので、工夫すれば面白いこともできると思いますが、動作確認用に温湿度、大気圧の値を表示するプログラムにしてみました。
これから実践編を書きながらプログラムを拡張していこうと思いますが、まずは基本的なところから説明を進めていこうと思います。もし、実践編に対して何かご要望がありましたらコメントいただければと思います。