ハンダ付け練習用の回路図を説明します。
練習用回路概要
ハンダ付けの練習で製作するものは、電池ボックスを電源としてLEDを点灯させるものです。
ハンダ付けの練習ですので、失敗した場合に、その箇所がわかりやすい回路にします。具体的な回路図の説明に入る前に、回路の概要を説明します。
小学校の理科の時間で、電球を点灯させる回路を学習したことを覚えているでしょうか。複数の電球を電池で点灯させる場合、以下のような「直列接続」と「並列接続」がありました。
この直列接続の回路では、回路上のどこか1箇所でも接続が切れていると、全部の電球が点灯しません。
一方、並列回路では、回路上のどこかで接続が切れている場合、切れている場所によって電球の点灯状態が変わります。
そこで、ハンダ付け練習は、失敗した場合にハンダ付けがうまくいっていない箇所を探しやすくするために、LEDの並列接続回路の製作を行います。
練習用回路図
LEDの点灯回路は基礎編で説明しました。
PICマイコン電子工作入門 基礎編 第7回
PICマイコン電子工作入門 基礎編 第8回
簡単に復習しておくと、LEDをそのまま電池に接続するとLEDが壊れる可能性があるため、以下のように抵抗を接続して流れる電流を制限します。
LEDを2個並列接続する場合は、以下のように抵抗とLEDの組みを並列に接続します。
ハンダ付け練習では、以下のようにLEDを3個点灯する回路を製作します。
なお、LEDの個数を増やす場合、以下のように継ぎ足し接続して増やせますで、練習をたくさん行いたい場合はLEDの数を増やしてみてください。
基板上の部品配置
それでは上の練習用回路図に従って、ユニバーサル基板の部品の配置と接続を検討してみましょう。練習で使用するユニバーサル基板は、ブレッドボードと同じように以下のように裏面で配線されています。配線されているところをピンク色の線で示しています(手元のユニバーサル基板で確かめてみてください)。
まず、電池ボックスから電源の供給を行うためのターミナルブロックは、以下のように配置し、電源ラインに電源が供給されるようにします。
抵抗とLEDの接続は、「電源のプラス」→「抵抗」→「LED」→「電源のマイナス」に接続されればいいので、まず以下のように、「電源のプラス」→「抵抗」→「LED」を接続します。LEDは接続の向きに注意してください。LEDのリード線の長い方(アノード)がプラス側、短い方(カソード)がマイナス側です。なお、LEDのカソードからマイナスの電源に接続する部分は、基礎編・応用編のブレッドポードで回路を製作した時と同じように、電線を加工します。加工方法は基礎編・応用編と同じやり方です。
LEDのカソードは電源のマイナスの接続する必要がありますので、以下のように上の電源マイナスを下側の電源マイナスラインに接続します。これで1個のLEDを点灯させる回路ができました。
あとは同様に残りの抵抗とLEDを接続すれば回路は完成します。
ハンダ付け作業は、このような配置で部品を穴に差し込み、裏側をハンダ付けします。
動作確認のポイント
最初に説明しましたように、ハンダ付けがうまくできたかどうかで以下のように点灯状態が変わります。
全部のLEDが点灯する場合
ハンダ付けは全てうまくできています。
一部点灯しない場合
点灯していないLEDの部分について、「電源のプラス」→「抵抗」→「LED」→「電源のマイナス」のどこかの箇所にハンダ付けがうまくいっていません。
ハンダ付けの状態をよく確認して、うまくいってなさそうなところは、もう一度ハンダ付けしてみます。ハンダ付けし直して、問題なさそうでもLEDが点灯しないようでしたら、LEDの接続向きが間違っているかもしれません。
LED向きが間違っている場合は、LEDを取り外しますが、やり方はハンダ付け練習の時に説明します。なお、取り外す時にハンダ吸い取り線を使用しますが、この時かなり長い時間ハンダこてを当てます。そのため、LEDを取り外した場合、そのLEDは壊れる可能性が高いです。新しいLEDに交換しましょう。
全部点灯しない場合
最初に、電池のプラスとマイナスが間違えていないか確認します。次に、電源ラインのハンダ付けに問題がないか確認します。問題があればハンダ付けし直してみますが、それでも点灯しない場合はLEDの接続向きが全て間違っている可能性がありますので、電池ボックスのリード線を逆につないでみるなどの確認をします。
このような練習回路でハンダ付けの練習をしていきます。
ハンダ付け練習用の回路がわかったところで、次回はハンダ付け作業の手順を確認します!
更新履歴
日付 | 内容 |
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2018.3.17 | 新規投稿 |