第9回 Raspberry Piのセットアップ – リモート環境編その2

前回に引き続き、リモートで接続してRaspberry Piをセットアップします。今回はRaspberry Piを起動して、リモート接続、設定を行います。

今回の説明内容

前回に引き続き、Mac/Winからリモートで接続してRaspberry Piをセットアップします。

Raspi setup step2

今回は以下の流れで説明します。

  • Rasbperry Piを起動する
  • Macから接続する
  • Winから接続する
  • Raspberry Piの設定を行う

接続が確認できたら、最後のセクションのRaspberry Piの設定を行ってください。

 

Raspberry Piを起動する

まず最初にRaspberry Piを立ち上げます。前回準備したmicroSDカードをRaspberry Piにセットします。セットする場合はmicroSDカードの端子のある面が上になります。一方向しかセットできないようになっていますので、無理に力を入れて挿入しないようにしましょう。スッと入ってカチッと音がするまで挿入します。

Set microsd cartd

microSDカードをセットしたら、ネットワークケーブルを接続します。接続が確認できたら電源供給用のUSBケーブルを挿します。挿す時にはちょっと力が入りますので、Raspberry Piを持つ位置に注意してください。microSDカードのあたりをつかむと、microSDカードが外れてしまいますので注意です。

電源が入ると、最初に赤のLEDが点灯、そのあと緑のLEDが点滅を開始します。赤LEDは電源ランプ、緑LEDはファイルアクセスランプです。

Raspi led

立ち上がるまで30〜40秒ぐらいだと思います。緑LEDの点滅がおさまったら立ち上がっているはずです。立ち上がったあとはリモートで接続できます。

 

Macから接続する

Macからはターミナルアプリでリモート接続します。

アプリケーションフォルダ → ユーティリティフォルダにある「ターミナル」を立ち上げます。

Teraminal initial

「$」のあとに以下の文字を入力して、最後にリターンキーを押します。

ssh pi@raspberrypi.local

リターンキーを押すと、以下のようなメッセージ表示がされます(数値は異なります)。

The authenticity of host 'raspberrypi.local (2001:c90:8406:1267:b07c:bb2c:ac69:c443)' can't be established.
ECDSA key fingerprint is SHA256:S3MlTTp5X/jlyAg2yLjrVuo16mw2/JgyHksUpLqgswE.
Are you sure you want to continue connecting (yes/no)?

これは何を確認しているか簡単に説明します。

Raspberry Piでリモートから接続するのに「ssh」というソフトを使用します。sshを使うと通信路を暗号化してリモートで接続することができます。sshは過去に接続した相手を記録していて、初めて接続する場合は接続してもいいか確認するようになっています。

当然接続しますので、yesで回答します。質問は (yes/no)? と聞いていますので、”yes”、”no”のどちらかで回答します。第7回でLinuxの慣習で説明しましたが、今回の選択肢は両方とも小文字ですので、どちらか必ず入力する必要があります。また、”y” や “n” の入力はダメで、必ず “yes” か “no”を入力します。

“yes”と入力するとパスワードの入力が求められます。パスワードはあらかじめ “raspberry” で設定されていますので、”raspberry”と入力します。パスワードの入力ですので画面へのフィードバックはありません。入力したらリターンキーを押します。無事ログインできると

pi@raspberrypi ~ $ 

このように表示されると思います。これで接続OKです。

なお、Raspberry Piの電源を切るときは、

pi@raspberrypi ~ $ sudo poweroff

と入力してリターンキーを押します。緑LEDの点滅が終わってから電源を抜いてください。

再起動するときは、

pi@raspberrypi ~ $ sudo reboot

と入力してリターンキーを押します。

ターミナルアプリからpoweroffやrebootを行うと、Raspberry Piとの接続が切断されます。再度接続したい場合は再度sshコマンドで接続します。また、Raspberry Piの電源を入れたままターミナルアプリから接続を切断したい場合は、

pi@raspberrypi ~ $ exit

と入力してリターンキーを押します。

これで接続確認は終わりです。次の次のセクションでRaspberry Piの設定を行いますので、引き続き作業しましょう!

 

Winから接続する

Windowsは標準ソフトではRaspberry Piにリモートで接続できませんので、ユーティリティをダウンロードして使用します。リモートで接続できるユーティリティはいくつかリリースされていますが、メジャーな「TeraTerm Pro」を使用します。

まずアプリをダウンロードします。以下のサイトにアクセスして、

TeraTerm Pro Project

ちょっと下の方に行き、最新版をダウンロードします。

Teratermpro download

ダウンロードしたらインストーラでTeraTerm Proをインストールします。インストール手順はスクショが多くなるのですみません、省略します。

WindowsからRaspberry Piに接続するとき、接続先指定で「raspberrypi.local」という名前で指定したいところですが、Windowsは基本的にRaspberry Piに名前で接続できません。名前で接続するには、Bonjourというプロトコルが必要なのですが、Windows標準ではBonjourをサポートしていないためです(Windows10では標準になったようですが設定が必要なようです。ネットを調べたり自分で色々試してみましたが心が折れました)

なおAppleのiTunesをインストールしていると名前で接続できますので(Bonjourがインストール、有効化されるためです)、最初に名前による接続方法と、名前で接続できない場合のIPアドレスによる接続方法の両方を説明します。

まず名前で接続する手順です。

TeraTerm Proを立ち上げます。接続先入力ダイアログが表示されますので、”raspberrypi.local”と入力します。

Teraterm name 1

通信できるようになると、初めて接続するため、接続してもよいか確認ダイアログが表示されます。問題ありませんので「続行」をクリックします。

Teraterm name 2

次に、ユーザ名とパスワード入力のダイアログになりますので、ユーザ名は「pi」、パスワードは「raspberry」を入力します。入力したらOKボタンをクリックします。

Teraterm name 3

接続に成功すると、以下のような画面になります。

Teraterm name 4

なお、Raspberry Piの電源を切るときは、

pi@raspberrypi ~ $ sudo poweroff

と入力してリターンキーを押します。緑LEDの点滅が終わってから電源を抜いてください。

再起動するときは、

pi@raspberrypi ~ $ sudo reboot

と入力してリターンキーを押します。

TeraTerm Proからpoweroffやrebootを行うと、TeraTerm Proが終了します。再度接続したい場合は再度TeraTerm Proを立ち上げて接続します。また、Raspberry Piの電源を入れたままTeraTerm Proから接続を切断したい場合は、

pi@raspberrypi ~ $ exit

と入力してリターンキーを押します。

上の手順(接続先を名前で指定した場合)でエラーになった場合、IPアドレスで接続します。

IPアドレスを調べるため「NetEnum」というユーティリティを使用します。以下のページがダウンロードします。

NetEnum

ダウンロードしたらインストーラを立ち上げてインストールします。インストール手順は標準的なのと、スクショが多くなりますので、すみません、省略します。

NetEnumがインストールできたら、NetEnumを右クリックして、コンテキストメニューの「管理者として実行」をクリックします。

アプリが立ち上がったら、ファイルメニュー → 検索… を選択します。

Netenum 1

検索条件設定のダイアログが表示されますので、「MACアドレスを取得する」をチェック、その後「ベンダー名を表示」をチェックします。

Netenum 2

チェックしたら「検索」ボタンをクリックして検索を開始します。

Netenum 3

検索結果が表示されますので、ベンダー名が「Raspberry Pi Foundation」の行を探します。その行の一番左がIPアドレスになります。

Netenum 4

IPアドレスがわかったら、以下のようにIPアドレスを入力して接続できるか確認します。

Teraterm ip 1

接続できたら、先ほどと同様に接続の確認、ユーザ名とパスワードの入力ダイアログが表示されますので、それぞれ入力して接続します。

なお、Raspberry Piの電源を入れ直すと、IPアドレスが変わることがあります。その場合はIPアドレスを再度調べて接続します。またRaspberry PiのIPアドレスを固定化する設定もできます。その方法については以前書いた記事をご参照ください。古い記事ですが、設定方法は変わっていません。

 

Raspberry Piの設定を行う

Windowsからの接続がちょっとクセがありますが、なんとか接続できましたでしょうか。あとはRaspbianのセットアップをします。以下の項目を設定します。

  • システムソフトウエアなどのアップデート
  • ファームウエアアップデート
  • ディスク領域の拡大
  • 言語地域・タイムゾーン指定
  • パスワード設定

それでは一つずつ設定していきます。

 

システムソフトウエアなどのアップデート

インストール直後は、システムを構成するソフトウエア類が最新のバージョンになっていないことがあります。そこで、最初にシステムソフトウエア類のアップデートを行います。今回はセットアップが目的ですので、詳細説明は行わず、手順のみ説明し、後の回で詳しく説明します。

最初に以下のように入力してリターンキーを押します。(白い文字の部分のみ入力して、その後リターンキーを押します)

pi@raspberrypi ~ $ sudo apt-get update

ここでパスワードが聞かれることがあります。パスワードは

raspberry

ですので、raspberryと入力します。

いろいろな情報が出力されると思います。処理が終わるとコマンドプロンプトが表示されますので、次は以下のように入力します。

pi@raspberrypi ~ $ sudo apt-get upgrade

結構時間がかかると思いますので、しばらく待ちます。これ、何をやったのかよくわからないですよね。とりあえずここではシステムのソフトウエアをアップデートした、という理解で大丈夫です。後の回で詳しく説明します。この2つのコマンドはシステムソフトウエアやインストールしたソフトウエアのアップデートを行うものですので、たまにやったほうがいいです。

 

ファームウエアアップデート

次はファームウエアのアップデートです。これも先ほどと同様にコマンドプロンプトにコマンドを入力します。

pi@raspberrypi ~ $ sudo rpi-update

これでソフトウエア、ファームウエアのアップデートは終わりです。

 

これからは「raspi-config」というユーティリティで設定します。

ディスク領域の拡大

まず最初にディスク領域の拡大を行います。前回、Raspbian(Jessie)の起動ディスクイメージファイルをダウンロードして、microSDカードに起動ディスクを作成しました。この方法で作成した起動ディスクはmicroSDカードの容量の一部しか使用されていない状態になっています。

具体的に説明します。まず、ダウンロードした起動ディスクイメージは、RaspbianOSの丁度の大きさ(約4.3GB)になっています。これに対して、コピーするmicroSDカードの容量は16GBあるとします(下の図の上の部分)。

この状態で、起動ディスクイメージをmicroSDカードにコピーすると、起動ディスクイメージの容量分の大きさで起動ディスクが作成されます。残りの部分はRaspbianから認識されていない状態になります。

Disk expansion

これですと都合が悪いので、ディスク領域の拡大を行います。それではディスク領域を拡大します。

まず、ターミナルで以下のように入力してリターンキーを押します。

pi@raspberrypi ~ $ sudo raspi-config

以下のような画面になります。この画面でディスク領域の拡大のほか、この後に続く設定(言語地域などの設定)を行います。まず操作方法を説明します。

Config operation

赤くハイライトされている部分が、今選択状態にあるメニュー項目です。まずメニュー項目の移動は上のように上下矢印キーで移動します。また下の領域(この場合はSelectとFinish)はタブキーか左右矢印キーで移動します。

ハイライトされているメニュー項目を処理する場合は、リターンキーかスペースキーを押します。

まず、「1 Expad Filesystem」をハイライトします。すでにハイライト状態にあると思いますので、そのままリターンキーかスペースキーを押します。押すとすぐにディスク領域拡張が実行され、終わると以下の画面になります。

Config expand

リターンキーを押して元のメニューに戻ります。

これでディスク領域拡張はOKです。

 

言語・タイムゾーン指定

次に「4 Internationalisation Options」を選択します。

Config international

このような画面になります。まずは「I1 Change Locale」を選択します。選択すると以下のような画面が表示されますので、「ja_JP.UTF-8 UTF-8」を矢印キーでスクロールして探します。ただ量が多いので、Control + vで早くスクロールできます。

Config locale

見つけたら、選択しますが、このようなチェックボックスのようなものはスペースキーを押して選択状態にします。「ja_JP.UTF-8 UTF-8」のところにフォーカスして、スペースキーを1回押すと「*」マークがついて選択されます。もう一回スペースキーを押すと「*」マークがなくなって非選択状態になります。

選択したら、リターンキーを押すと次に進みます。

Config locale defult

この画面ではデフォルトの地域情報を設定します。「ja_JP.UTF-8」を選択状態にしてリターンキーを押します。

ちょっと設定に時間がかかった後、元のメニューに戻ります。

次に、「4 Internationalisation Options」を選択して、「I2 Change Timezone」を選択します。

Config timezone

地域選択になりますので、「Asia」を選択します。

Config timezone 1

次の画面で都市を選択します。Tokyoを選択しますが、下の方にあるのでControl+vでスクロールします。

Config timezone 2

選択したらリターンキーを押して終わりです。

 

パスワード設定

最後にパスワードを変更しておきます。最初に設定されているパスワードは「raspberry」ですが、スペル覚えづらいし入力しづらいですよね。ということで自分用のパスワードに変更しておきます。

「2 Change User Password」を選択します。

Config passwd

選択すると、以下のような画面が表示されますので、リターンキーを押します。

Config passed confirm

パスワードを確認を含めて2回入力します。問題なければ以下の画面になりますのでリターンキーを押して元に戻ります。

Config passwd success

これで設定が終わりましたので、Finishを選択、リターンキーを押して終了します。

Config finish

再起動するか確認がありますので、このままリターンキーを押して再起動します。

Config reboot

リターンキーを押すと接続が切れますので、また立ち上がったぐらいに接続します。

接続したら以下のコマンドで電源を切ります。

pi@raspberrypi ~ $ sudo poweroff

以上でセットアップが終わりました。前回も今回も、コマンドの説明をせずに進めましたので何をしたのかわからないところもあったと思います。次回からRaspbian(Linux)の必要知識を説明します。

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