【AI問答】エントロピー増大の法則があるのに、なぜ動植物はいるのか?

目次

概要

エントロピー増大の法則ってありますよね。例えばコップの水に赤いインクを一滴垂らすと、最初は垂らした部分に赤いインクがありますが、ずっと放っておくとコップの水は薄い赤い均一の色水になります。

このように偏った状態から均一な状態に変化する様子はエントロピーという考え方で説明されていて、偏った状態はエントロピーが低い状態、均一な状態はエントロピーが高い状態になるそうです。

ここで重要な「エントロピー増大の法則」というものがあります。これは、時間の経過とともにエントロピーは増大していく、という法則だそうです。

ただ、昔から疑問がありました。

その疑問とは、時間の経過とともにエントロピーが増大していく(形あるものが均一の状態になっていく)のであれば、なぜ動植物のように何もない状態から形あるものになるのか、つまりエントロピーの高い状態から低い状態というように、エントロピーが減少するのか、というものです。

昔から周りの人に聞いてもよくわからなかったのですが、AIに質問できるようになったので聞いてみました。

この件についてClaude Fable 5に質問してみました。

AI問答

エントロピーについて疑問があります。

宇宙全体で考えると、時間の経過とともにエントロピーは増大していき、いずれは平坦な世界(情報量がない世界)になると言われています。

逆に考えると、時間を遡るとエントロピーは減少している、と解釈できると思います。ただ、この説明には次の疑問があります。

疑問1) エントロピー増大の法則は全体的に見た場合、ということなのでしょうか?
というのは例えばこの地球を見ると植物や動物が生まれたり、人間が何か物を作ったりしていますが、人間が作ったものはエントロピーが減少しているように思います。局所的なエントロピーの減少が発生しても全体としてはエントロピーは増大するのでしょうか?

ご想像の通り、答えははっきり「はい」です。

エントロピー増大の法則(熱力学第二法則)が成り立つのは孤立系、つまり外部とエネルギーも物質もやり取りしない系についてです。地球は孤立系ではまったくなく、太陽から絶えずエネルギーが流れ込み、宇宙空間へ放射で捨てている開放系です。

ここで面白いのは、地球はエネルギーを「もらって」いるというより、低エントロピーのエネルギーを受け取り、同じ量のエネルギーを高エントロピーの形で捨てているという点です。

地球が受け取るのは約5800Kの太陽表面から来る可視光の光子で、捨てるのは約255Kの赤外線の光子です。エネルギー収支はほぼゼロ(受け取った分だけ捨てる)ですが、同じエネルギーを運ぶのに赤外線光子は可視光光子の20倍以上の個数が必要で、光子の数が多い=ミクロ状態の数が多い=エントロピーが高い。この「エントロピーの差額」を輸出することで、地球上では植物の光合成も、生命の秩序も、人間がArduinoの基板を組み立てることも可能になっています。シュレーディンガーが『生命とは何か』で「生物は負のエントロピーを食べて生きている」と表現したのはこのことです。

人工物についても同様で、例えば整然としたICチップ1個の「秩序」に対応するエントロピー減少はごく僅かですが、それを製造する過程(鉱石の精錬、シリコンの精製、工場の稼働、排熱)で環境に放出されるエントロピーはその何桁も上です。冷蔵庫が庫内を冷やす(局所的エントロピー減少)ために背面から必ずそれ以上の熱を捨てるのと同じ構造です。第二法則は「局所的な減少を禁じる」のではなく、「減少分を上回る増大が必ずどこかで起きる」ことを要求する法則だと言えます。

ちょっと難しい内容ですが、要は宇宙全体のエントロピーは増大するけど、局所的にはエントロピーが減少することもある、という感じなんでしょうかね。

続けて他の疑問も聞いてみました。

疑問2) この宇宙は時間をどんどん遡るとビッグバンに到達すると言われていますが、ビッグバン発生時の時刻ゼロ付近ではただただ同じ粒子?量子?の均一なスープのようなものだったと聞いたことがあります。

この均質なスープというのはエントロピーは大きいような気がしますが、それでもこれはこの宇宙の歴史の中で一番エントロピーが低い状態だったということなのでしょうか?

この疑問は、ペンローズなどが長年強調してきた「宇宙論最大のパズル」そのものです。順に見ていきます。

直感の通り、普通の熱力学では「均一に混ざった状態」こそが最大エントロピーです。箱の中の気体は、片隅に固まっているより全体に広がっている方がエントロピーが高い。初期宇宙は物質と放射がほぼ完全な熱平衡にあった(だからCMBはあれほど一様です)ので、「エントロピー最大では?」と思うのは自然です。

鍵は重力の自由度を勘定に入れていなかったことです。重力が無視できる系と、自己重力が支配する系では、エントロピーの「向き」が逆転します。

上の図の右側が宇宙の実際の状況です。

重力が効く系では、一様に広がったガスは実は不安定で、揺らぎが重力で成長して塊になっていく方が「起こりやすい」、つまり位相空間の体積が大きい方向です。収縮すると重力エネルギーが解放されて熱や放射として周囲にばら撒かれ、系全体のエントロピーは増えます。その行き着く先がブラックホールで、ベッケンシュタイン=ホーキングのエントロピー S = kA/4(事象の地平面の面積に比例)は、同じ質量の物質がどんな形をとるよりも桁違いに大きな値になります。例えば銀河中心の超大質量ブラックホール1個のエントロピーは、観測可能な宇宙の全ての光子・ガスのエントロピーの合計を軽く超えます。

つまり初期宇宙は、物質・放射の自由度についてはほぼ熱平衡(その部分のエントロピーは最大に近い)だったのに、重力の自由度がほとんど使われていなかった(時空が異様に滑らかだった)という意味で、宇宙史上もっともエントロピーの低い状態でした。ペンローズはこの初期条件の「特別さ」を、位相空間の中で 10^(10^123) 分の1という途方もない精度だと見積もっています。彼はこれを「ワイル曲率仮説」(初期特異点ではワイル曲率≒重力の乱れがゼロに近い)として定式化しました。

そして正直に言うと、「なぜ宇宙はそんなに特別な低エントロピー状態から始まったのか」は現在も未解決です。インフレーション理論が一様性を説明するとされますが、インフレーション自体が低エントロピーな初期条件を必要とするという批判(ペンローズやショーン・キャロルらの指摘)もあり、この問いは「過去仮説(past hypothesis)」と呼ばれて、時間の矢の起源そのものと結びついた深い問題として残っています。

正直、なんだかよくわかりませんが、とにかくビッグバンの時の状態は一般的な空間という感じではないんでしょうかね。

最後にまとめてくれました。

最後に、この二つの疑問は実は一本の線で結ばれています。

疑問1で見た「地球が低エントロピーの太陽光を利用できる」のは、太陽が存在するからで、太陽が存在するのは、初期宇宙の滑らかなガスが重力で収縮して恒星を作るという「重力エントロピーの余地」がまだ大量に残っているからです。

つまり、生命や文明といった局所的な秩序形成が可能なのは、疑問1の「宇宙が異様に低エントロピーな状態から始まった」ことの直接の恩恵です。宇宙が最初から熱平衡(重力自由度も含めて)だったら、恒星も惑星も、エントロピーの勾配を利用するいかなる構造も生まれ得なかった、というわけです。

わかったようなわからないような、という感じです。こちらの知識、理解力が足りないようです。

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