ラズベリーパイ製品体系

目次

製品シリーズ

Raspberry Pi製品には大きく分けて次の4種類のシリーズがあります。

シリーズ 特徴
Raspberry Piシリーズ 本体サイズがクレジットカード程度の大きさで、ラズベリーパイ製品でメインのシリーズになります。本体ケースなど多くのアクセサリ製品もリリースされています。
Raspberry Pi Zeroシリーズ 本体サイズがRaspberry Piシリーズの約半分の大きさの製品です。LANコネクタなどの本体サイズが大きくなってしまうような部品が搭載されていないため、小型作品の製作などに適しています。
Raspberry Pi 400シリーズ ラズベリーパイ本体とキーボードが一体となった製品です。
Raspberry Pi
Compute Moduleシリーズ
ラズベリーパイを組み込んだ製品を生産する場合を想定した、産業向け量産用の製品です。

上の4種類以外に「Raspberry Pi Pico」シリーズがあります。Picoシリーズは製品仕様や使い方など、上記4種類とはまったく異なるシリーズとなりますので、この「ラズベリーパイリファレンス」では取り上げていません。このリファレンスとは別に「ラズベリーパイPico」リファレンスとしてまとめる予定です。

製品の命名規則

各シリーズの製品名には命名ルールがあります。

Raspberry Piシリーズ

このシリーズの製品名は「Raspberry Pi 1桁数字 Model 英文字」となっています。

「数字」部分は世代を表しています。「Raspberry Pi 4 …」という製品名であれば、Raspberry Piシリーズの第4世代製品という意味になります。

「英文字」部分は「A」「A+」「B」「B+」のいずれかで次のような意味です。

英文字 意味
A ハードウェア簡易版。USBコネクタの数が少ない、LANコネクタがないなど、ハードウェアを簡略化してある製品。
A+ 「A」の性能強化版。
B ハードウェアフル版。USBコネクタの数が多く、LANコネクタなど「A」モデルに比較してハードウェアが充実している。通常、新しい世代の製品は先に「B」がリリースされる。
B+ 「B」の性能強化版。

Raspberry Pi Zeroシリーズ

このシリーズの製品名は「Raspberry Pi Zero 数字や英文字」となっています。Raspberry Pi Zeroシリーズでは、数字と英文字を組み合わせる命名ルールになっています。

「数字」は世代を表しています。ただし第1世代は数字表記がありません。

「英文字」は次のような意味です。

英文字 意味
W Wi-Fi対応版
H GPIOピンヘッダ取り付け済

例えば「Raspberry Pi Zero 2 W」は、Raspberry Pi Zeroシリーズの第2世代で、Wi-Fi対応版、GPIOピンヘッダ未実装、という意味になります。

Raspberry Pi 400シリーズ

このシリーズは、初代「Raspberry Pi 400」がリリースされているのみで、現在のところ命名ルールは不明です。

Raspberry Pi Compute Moduleシリーズ

このシリーズの製品名は「Raspberry Pi Compute Module 1桁数字 [+] [Lite]」となっています。

「数字」は世代を表しています。また、[+]と[Lite]は記載があるモデルとないモデルがあります。

[+]と[Lite]の記載がある場合、それぞれ次のような意味です。

記載 意味
性能強化版。主にプロセッサが変更になっています。
Lite ストレージが搭載されていないモデルです。Lite版を使用する場合、別途外部にSDカードなどのストレージを用意する必要があります。

例えば「Raspberry Pi Compute Module 3+ Lite」は、Raspberry Pi Compute Moduleシリーズの第3世代で、性能強化版、ストレージなしのモデル、という意味になります。

製品体系図

Raspberry PiシリーズとRaspberry Pi Zeroシリーズの製品の時系列製品体系図です。

Raspberry Piシリーズ

ラズベリーパイ製品体系

Raspberry Pi Zeroシリーズ

ラズベリーパイZero製品体系

リビジョンコード

Raspberry Pi本体にはリビジョンコードが書き込まれています。このリビジョンコードにより、モデル、モデルリビジョン、RAM容量、製造元がわかります。

Raspberry Pi OSのターミナルで、以下のコマンドを入力するとリビジョンコードが確認できます。

cat /proc/cpuinfo

出力結果の最後の方の「Revision」項目にリビジョンコードが表示されます。次の例では「c03112」がリビジョンコードになります。

Hardware : BCM2835
Revision : c03112
Serial   : 10000000XXXXXXXX
Model    : Raspberry Pi 4 Model B Rev 1.2

補足: /proc/cpuinfoには本体、CPUに関する情報が書かれていますが、「Hardware」項目に表示されるプロセッサ名は正しくありません。

このリビジョンコードは機種ごとに以下の意味になっています。

Raspberry Pi シリーズ

リビジョンコード モデル モデルリビジョン RAM容量 製造元
900021 A+ 1.1 512MB ソニー(英国)
900032 B+ 1.2 512MB ソニー(英国)
a01040 2B 1.0 1GB ソニー(英国)
a01041 2B 1.1 1GB ソニー(英国)
a21041 2B 1.1 1GB Embest
a02042 2B (BCM2837版) 1.2 1GB ソニー(英国)
a22042 2B (BCM2837版) 1.2 1GB Embest
9020e0 3A+ 1.0 512MB ソニー(英国)
a02082 3B 1.2 1GB ソニー(英国)
a22082 3B 1.2 1GB Embest
a32082 3B 1.2 1GB ソニー(日本)
a52082 3B 1.2 1GB Stadium
a22083 3B 1.3 1GB Embest
a020d3 3B+ 1.3 1GB ソニー(英国)
a03111 4B 1.1 1GB ソニー(英国)
b03111 4B 1.1 2GB ソニー(英国)
b03112 4B 1.2 2GB ソニー(英国)
b03114 4B 1.4 2GB ソニー(英国)
b03115 4B 1.5 2GB ソニー(英国)
c03111 4B 1.1 4GB ソニー(英国)
c03112 4B 1.2 4GB ソニー(英国)
c03114 4B 1.4 4GB ソニー(英国)
c03115 4B 1.5 4GB ソニー(英国)
d03114 4B 1.4 8GB ソニー(英国)
d03115 4B 1.5 8GB ソニー(英国)

Raspberry Pi Zeroシリーズ

リビジョンコード モデル モデルリビジョン RAM容量 製造元
900092 Zero 1.2 512MB ソニー(英国)
900093 Zero 1.3 512MB ソニー(英国)
920092 Zero 1.2 512MB Embest
920093 Zero 1.3 512MB Embest
9000c1 Zero W 1.1 512MB ソニー(英国)
902120 Zero 2 W 1.0 512MB ソニー(英国)

Raspberry Pi Compute Moduleシリーズ

リビジョンコード モデル モデルリビジョン RAM容量 製造元
900061 CM1 1.1 512MB ソニー(英国)
a020a0 CM3 1.0 1GB ソニー(英国)
a220a0 CM3 1.0 1GB Embest
a02100 CM3+ 1.0 1GB ソニー(英国)
a03140 CM4 1.0 1GB ソニー(英国)
b03140 CM4 1.0 2GB ソニー(英国)
c03140 CM4 1.0 4GB ソニー(英国)
d03140 CM4 1.0 8GB ソニー(英国)

Raspberry Pi 400シリーズ

リビジョンコード モデル モデルリビジョン RAM容量 製造元
c03130 Pi 400 1.0 4GB ソニー(英国)
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