第3回 製作するもの

PICマイコン電子工作入門の基礎編でどのようなものをつくるか説明します。

目次

ゴール

PICマイコン電子工作入門の基礎編では、基本的な機能を実装したタイマーを製作します。

基本的な機能だけ、といっても、マイコンを触ったこともないのに最初からタイマーを製作するのはちょっと道のりが遠そうですよね。そこで、ちょっとずつ機能を実装して、動作を確認しながら進めることにします。

この基礎編で最終的に製作するタイマーは、スタートボタンを押すと、LEDを1秒に1回光らせながら時間を計測して、あらかじめ指定した時間になったらブザーを鳴らす、というものです。でも最初ステップでは一番基本的な部分である、

1秒に1回、LEDをピカッ、ピカッと光らせるもの

を作ります。LEDは身の回りでも多く使われていますのでご存知の方も多いと思います。詳しくはこの後の記事で説明しますが、電池をつなぐと光る電子部品です。

作るものってこれだけ!?と思われるかもしれませんが、ここまで到達するのが意外に大変なんです。でもここまでできてしまえば、基本は理解できたことになりますので、習得したことを基盤にしていろいろと発展させることができます。

ところでLEDを光らせる回路程度であれば、部品とそのつなぎ方を説明して動作まで確認する内容を、1回の記事にまとめることもできます。実際にその通りにやれば1時間程度でタイマーを作ることができます。

ただ、この入門記事では「よくわからないけど、言われたとおりやってみたらできた」ということは避け、なるべく後々応用が利くように、できるだけ原理が理解ができるような説明をしていこうと思います。

そのため、ちょっと「基礎編」という割には難しい内容もでてくるかもしれませんが、自分でモノづくりをするには避けて通れない内容ばかりですので、ちょっと我慢しておつきあいください。わからないところはそのままにせず、十分理解してから進めるようにしてください。

製作の前提

電子工作というとハンダ付け、というイメージがありますが、基礎編と応用編ではハンダ付けはしない方法で進めます。

具体的には「ブレッドボード」という、ハンダ付けを行わないで電子工作をすることができるものを使います。この「ブレッドボード」もこの後の記事で詳しく説明します。また、ハンダ付けをしませんので、間違ってしまっても修正が簡単ですし、「こうしたらどうなるんだろう」といろいろと試してみることもできます。

なお簡単に説明することが難しいときは、嘘がない程度にわかりやすく説明して、最後に補足することにします。正確に説明するために深入りするとかえってわかりづらくなるような場合など、その旨説明しようと思います。

それではもっと具体的に進めていきましょう!

製作の進め方

製作は以下のように3段階で進める予定です。

  1. 1秒に1回LEDを光らせる回路
    まずはLEDを光らせるための最低限の回路をつくり、LEDを1秒に1回光らせてみます。最初に、マイコンのピンにどのようにLEDを接続して、それをどのようにプログラムで制御すればよいかを説明します。次に、1秒に1回光らせるにはどうしたらよいかも説明します。
  2. スイッチを追加する
    (1)の回路にスイッチを追加して、マイコンでスイッチのON/OFF状態を読み取り、スイッチが押されたらLEDの点滅を開始する機能を追加します。ここではスイッチの特性と、マイコンがスイッチのON/OFF状態を知るにはどのようにすればいいのか説明します。
  3. ブザーを追加する
    (2)の回路にブザーを追加します。スイッチが押されたら時間計測を開始して、決めておいた時間がきたらブザーを鳴らしてみます。

(3)までの製作が終わるとこんな感じの回路になります。

基礎編完成回路

実際の動作

実際の動作を説明するために、実際に動作する様子を動画にまとめました。

次回は、必要な道具や部品について説明します。

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